仕送り「月8万円」を送っている親ですが、減らせないか考えています。最近の大学生はアルバイトでどれくらい稼げているのでしょうか?

配信日: 2025.06.10

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仕送り「月8万円」を送っている親ですが、減らせないか考えています。最近の大学生はアルバイトでどれくらい稼げているのでしょうか?
仕送りを送っている親御さんにとって、子どもの生活費をどこまで支援すべきかは悩ましい問題でしょう。そのなかで、大学生がアルバイトでどれくらい稼げるのかを知ることは、仕送り額の見直しを検討するうえで重要な情報となります。
 
そこで本記事では毎月8万円の仕送りを例にして、最新の調査データより大学生のアルバイト収入の実態や生活費の内訳、仕送り額の適正について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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大学生のアルバイト収入はどのくらいが相場?

仕送りを見直すにあたって、まず気になるのが「今の大学生はどのくらい自分で稼いでいるのか?」という点です。最近の調査から、大学生のアルバイト事情と収入の実態を見てみましょう。
 
全国大学生活協同組合連合会の「第60回学生生活実態調査」(調査時期:2024年10~11月、回答数:1万1590人)によれば、大学生のアルバイト収入の平均は自宅生が月4万6060円、下宿生(一人暮らし)が月3万7540円という結果です。
 
また、株式会社マイナビ(東京都千代田区)が運営する、求人情報サイト「マイナビバイト」が実施した「大学生のアルバイト調査(2024年)」(調査期間:2023年2月、有効回答数:就業者913人、非就業者381人)によると、大学生アルバイトの全国平均の月収は約6万円、時給は約1000円という結果が出ています。
 
平均勤務日数は週3日、時間は1日5時間、1ヶ月で60時間となり、学業との両立を図っていることがうかがえます。
 
ただし、これ以上稼ごうとすると、週に4日以上働いたり、深夜帯の勤務を選んだりする必要があり、学業や体調に支障が出る可能性も否定できません。
 

一人暮らしの大学生にかかる生活費はいくらくらい?

では、大学生が実際にどのくらいの生活費を必要としているのかも把握しておきましょう。特に一人暮らしをしている学生にとっては、家賃や食費などの支出が大きな負担となっています。
 
前述の「第60回学生生活実態調査」によると、一人暮らしをしている大学生の平均支出は月13万1710円です。そのなかで費用のかかる上位5項目は、以下の通りです。
 

食費:2万6110円
住居費:5万6090円
教養娯楽費: 1万3870円
日常費:7520円
交通費:5050円

 
このように、学生の生活費は13万円を超えるのが実情です。アルバイトの収入が4~6万円程度だと仮定すると、残りの6~9万円は親の仕送りや奨学金で補う必要があります。
 
現在、月8万円の仕送りをしているというのは平均的といえる水準です。無理に減らすと、生活が回らなくなる可能性もあるため、慎重な判断が求められます。
 

仕送りを減らす前にできることは?

とはいえ、家計の見直しや子どもの経済的自立を促すという観点から、仕送り額を見直すことも必要です。以下のような方法で、支出を抑えたり、収入を増やす工夫を取り入れたりすることができます。
 
1. 支出の見直しを親子で行う
スマートフォン代、食費、娯楽費など、固定費を中心に必要・不要の仕分けを一緒に行いましょう。自炊を増やす、サブスクを見直すといった小さな工夫の積み重ねで、数千円単位の節約が可能です。
 
2. 奨学金の活用
すでに大学に通っている場合でも、奨学金の申請が可能なケースがあります。家庭の収入状況や成績、学業への意欲などが審査基準となりますが、条件を満たせば経済的な支援を受けることができます。
 
特に、返済が不要な給付型奨学金制度は、仕送りを見直す際の一つの選択肢になります。まずは、大学の奨学金窓口や日本学生支援機構などの制度を確認してみるとよいでしょう。
 
3. アルバイトの見直し
現在のアルバイトが時給や勤務条件に対して負担が大きい場合は、より収入効率のよい職種への見直しも検討できます。
 
例えば、家庭教師や試験監督、在宅でできるデータ入力など、学業の合間でも柔軟に働ける仕事はあります。学業との両立が大前提となりますが、無理のない範囲でシフトを工夫することで、仕送りへの依存度を少しずつ減らすことも可能です。
 
4. 目的別に仕送りを分ける
仕送りの中身を「家賃補助」「生活費補助」「お小遣い」などに分け、不要な部分がないかを一緒に見直すことで、自然なかたちで支援額の減額ができる場合もあります。
 

仕送りの見直しは「話し合い」と「理解」から

月8万円の仕送りは、大学生が一人暮らしをするうえでちょうど平均的な金額です。しかし、最近の大学生も月に5~6万円ほどは自分で稼いでいることから、家計が厳しければ一定の見直しは可能です。
 
大切なのは、仕送りの金額を一方的に決めるのではなく、子どもと一緒に家計の収支を確認しながら「どこまで自立できるか」「無理のないアルバイトの時間はどの程度か」などを話し合って決めることです。
 
将来の金銭感覚や自立心を育てる機会としても、仕送りの見直しは有意義なテーマとなるはずです。親の負担を減らしつつ、子どもの自立を応援するためにも、前向きに話し合ってみてはいかがでしょうか。
 

出典

全国大学生活協同組合連合会 第60回学生生活実態調査 概要報告
株式会社マイナビ マイナビバイト 大学生のアルバイト調査(2024年)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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