5キロ1800円「底値」のコメはいつから買える? 備蓄米の“流通スピード”と販売店を調査!
配信日: 2025.06.07


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2021年産「古古古米」の価格は?
2021年産の「古古古米」は5キログラムあたり1800円程度と報道されていますが、それより高く、もしくは安くなることはあるのでしょうか。
図表1
農林水産省 随意契約による政府備蓄米の売渡しについて より筆者作成
農林水産省によると、「古古古米」の中でも価格は等級に分けられるとされています。業者が政府から買い入れるときの仕入価格は、図表1のとおりです。
小泉進次郎農林水産大臣が発表した販売価格は、あくまで「見通し」なので、2021年産の「古古古米」が5キロ1800円で売られるとは限りません。
また、備蓄米は単一で売られるとは限らず、銘柄米と混ぜて「ブレンド米」として売られることがあります。随意契約が始まる前の4月下旬、入札によって仕入れた備蓄米を銘柄米と5割ずつ混ぜて「ブレンド米」とし、5キロ税抜き2980円で販売していた例があります。
仕入れ値からどれだけ利益を上乗せするかは販売業者次第なので、一般消費者に事前に知らされるものではありません。
2021年産「古古古米」はどこで買える?
古古古米が販売されるのは、大手スーパーやコンビニだけではなく、以下の店舗でも販売されます。
・精米能力を有する米穀小売店
・中小の小売業者
政府からの最低引き渡し量が10トンなので、ごく小さい街の米屋では随意契約の申し込みすらできないと思われます。とはいえ、米穀小売店は共同購入が可能なので、地域でまとまって政府から購入することも考えられます。中小小売業者の場合は年間1000トン以上の取り扱い実績が必要なので、やはり小さい店では扱えません。
2021年産「古古古米」が市場に出回る量は、2022年産「古古米」の半分です。見つけたときに買わないと手に入らないかもしれません。
2021年産「古古古米」の販売はいつからいつまで?
2021年産「古古古米」の販売はいつから始まるのでしょうか。大手企業向けの随意契約は5月27日に申込停止して、早いところでは4日後の31日から販売開始されていました。
米穀小売店・中小の小売業者向けの2021年産「古古古米」の随意契約申込みは5月30日から開始されています。物流や精米に時間がかかることから、早くても6月中旬以降の店頭販売となるとみられています。
政府から事業者への引き渡し期限は8月20日とされています。農林水産省は、備蓄米を8月末までに販売終了することを引き渡しの条件として求めています。
販売事業者は、販売計画書の提出と販売実績の報告が義務付けられています。販売計画書に沿っていない業者には、指導経過が公表される事態となります。義務である8月末を超えて販売することは、よほどのことがないと考えられません。
まとめ
備蓄米の中では「古古古米」が底値で、5キログラムあたり1800円程度と言われています。しかし、この価格はあくまで「見通し」なので、高くも安くもなる可能性はあります。中小の販売店は公表されないので、今のところ消費者自身で探すしかありません。
2022年産「古古米」の販売開始日には長蛇の列ができたと報道されていることから、2021年産「古古古米」も争奪戦になることが予想されます。政府の狙いとして「市場の値上がりを抑える」ことが挙げられますが、実際に備蓄米を放出することでほかの米も安くなるのでしょうか。市場の動きは今後も見逃せません。
出典
農林水産省 随意契約による政府備蓄米の売渡しについて
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー