カット野菜は割高だけど、丸ごと野菜は無駄が出る…?「少人数世帯」でお得なのは結局どっち?
配信日: 2025.06.06

今回は、少人数世帯にとってどちらが無駄なく、コスパがいいのかを比較してみました。

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野菜価格の高騰で「買い方」を見直す家庭が増加中
2025年初頭、キャベツや白菜、大根などが平年の2~3倍に高騰し、1玉800円のキャベツも登場しました。株式会社くふうカンパニーが1月に行った調査によると、約7割の家庭が「生活費の増加」、6割が「野菜不足」を実感しているという結果となりました。
春以降は一部の野菜で価格が落ち着いてきたものの、依然として全体的には高値傾向が続いており、日々の買い物で「どの野菜をどう買うか」に悩む人は少なくありません。
特に一人暮らしや少人数世帯では、「野菜を買っても余らせてしまう」「結局使い切れずに腐らせる」といった声も多く、カット野菜をうまく取り入れて節約する人も増えているようです。
カット野菜が人気の理由とは?
これまで「割安品の代表格」とされてきたカット野菜ですが、近年は価格が上昇傾向にあります。2025年に入ってからも、小売り各社が値上げを受け入れる動きが見られました。
背景には、天候不順による野菜不足やキャベツの不作などがあり、カット野菜の価格は5年前より約1割上がっているといわれています。それでもなお、価格の安定性や手軽さから、カット野菜は根強い人気があります。
特に「カット野菜ミックス」や「カットねぎ」は、使いやすく無駄が出にくいため、一人暮らしや少人数世帯を中心に需要が伸びているようです。
さらに、厚生労働省「令和5年国民健康・栄養調査」では、日本人(20歳以上)の野菜摂取量が1日平均256gと、目標の350gに届いていないことが明らかになっています。特に少人数世帯や若年層で野菜不足が深刻化しており、手軽に野菜を取り入れられるカット野菜の需要は、健康意識の面からも高まっているといえるでしょう。
使い切れない?割高?少人数世帯で悩ましい野菜選び
丸ごと野菜は、グラム単価が安く、量を多く使う家庭や複数人世帯にとっては経済的です。カットされていない分、保存期間が長めなのも利点でしょう。ただし、少人数世帯では使い切れずに腐らせてしまう可能性もあり、下ごしらえの手間もかかります。
一方、カット野菜は割高に感じられることもありますが、必要な量だけ使えて調理もラク。特に一人暮らしや忙しい人には便利で、結果的にコスパが良くなることもあります。
例えば、農林水産省の調査によると、令和7年5月19日の週【5月19日~5月21日】のキャベツ1玉(約1kg)の全国平均価格は184円でした。一方で、カットキャベツ(150g・138円)は約920円/kgとグラム単価では大きな差があるものの、使い切れないリスクや手間を考慮すると結果的にコスパが良いと感じる方もいるかもしれません。
特に、一人暮らしなどで消費量が少ない家庭にとっては、“使い切れる安心感”が大きな利点といえるでしょう。
少人数世帯なら「無駄のない」カット野菜がお得になることも
野菜の高騰が続いていた時期と比べると、一部の品目で価格が落ち着きを見せています。それでも、依然として野菜全体の価格は高めで、少人数世帯にとっては「使い切れるかどうか」が家計に直結する重要なポイントといえるでしょう。
そうした中、必要な量だけを購入でき、調理の手間も減らせるカット野菜は、無駄なく健康的な食生活を続けたい人にとって心強い選択肢です。
もちろん、丸ごと野菜にも価格や保存性といった利点があります。ライフスタイルや調理頻度に応じて、両者を上手に使い分けることが、無理なく節約を続けるコツといえるでしょう。
出典
株式会社くふうカンパニーホールディングス 野菜の価格について(PR TIMES)
厚生労働省 令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要
農林水産省 食品価格動向調査(野菜) 令和7年5月19日の週【5月19日~5月21日】
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー