異動先の部署は「残業」がほとんどなくてびっくり!「月3万円の収入減」は正直厳しいのですが、月の残業代はいくらくらいが一般的なのでしょうか?

配信日: 2025.06.04

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異動先の部署は「残業」がほとんどなくてびっくり!「月3万円の収入減」は正直厳しいのですが、月の残業代はいくらくらいが一般的なのでしょうか?
残業代は月々の収入を左右する重要な要素のひとつであり、その変動は家計にも影響を及ぼします。自身の残業代が平均と比べてどうなのか、気になる人もいるでしょう。今回の事例では、異動したことで「月3万円」の残業代がなくなったとのことですが、月の残業代はいくらくらいが一般的なのでしょうか。
 
本記事では、残業代や残業時間の平均と残業の時期における注意点を解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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「残業代」の平均は「1万9634円」

厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和6年分結果確報」によると、時間外手当や休日出勤手当などを含む「所定外給与」の平均は月1万9634円でした。産業別にみると、平均所定外給与が最も高いのは「電気・ガス業」で、最も低い産業は「教育、学習支援業」となっています。
 
また、所定外労働時間の平均は10.0時間でした。平均所定外労働時間が最も長い産業は「運輸業、郵便業」で、最も短い産業は「医療、福祉」となっています。
 

民間の調査では平均残業時間は「21.0時間」

一方、パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda(デューダ)」の「平均残業時間の実態調査」によると、2024年4~6月における1ヶ月あたりの平均残業時間は21.0時間でした。厚生労働省の調査と比べて平均残業時間が長くなっていますが、これは雇用形態が正社員の従業員のみを対象にしているためであると考えられます。
 
平均残業時間が最も多かった職種は「インフラコンサルタント」で、1ヶ月あたりの平均残業時間は39.4時間でした。一方、平均残業時間が最も少なかった職種は「医療事務」で、1ヶ月あたりの平均残業時間は10.3時間となっています。
 
平均残業時間の多い職種のランキングは表1、平均残業時間の少ない職種のランキングは表2の通りです(それぞれ上位5位を抜粋)。
 
表1

職種 1ヶ月あたりの残業時間
インフラコンサルタント 39.4時間
設計監理/コンストラクションマネジメント 31.6時間
プロデューサー/ディレクター/プランナー
(出版/広告/Web/映像関連)
31.3時間
専門商社の営業 31.2時間
店長(販売/サービス) 30.6時間

出典:パーソルキャリア株式会社 転職サービス「doda」「平均残業時間の実態調査 残業が少ない・多い仕事は?」を基に筆者作成
 
表2

職種 1ヶ月あたりの残業時間
医療事務 10.3時間
貿易事務 11.1時間
臨床開発関連 11.7時間
秘書/受付 12.6時間
経理事務/財務事務 13.0時間
薬事 13.0時間

出典:パーソルキャリア株式会社 転職サービス「doda」「平均残業時間の実態調査 残業が少ない・多い仕事は?」を基に筆者作成
 

4~6月の残業には注意が必要

4~6月に残業しすぎると、9月以降の手取りが減る可能性があるため、残業のタイミングには注意が必要です。毎月の健康保険料や厚生年金保険料は標準報酬月額を基に決定されますが、この標準報酬月額は毎年4・5・6月の報酬に基づいて算出されます。
 
ここでいう報酬は基本給だけでなく残業手当なども含まれるため、残業をしすぎると標準報酬月額が高くなり、毎月の健康保険料や厚生年金保険料も高くなってしまうのです。
 
なお、残業代を翌月払いとしている会社の場合、3~5月に残業すると標準報酬月額が高くなります。また、決定された標準報酬月額が適用されるのは9月から翌年の8月までです。
 

まとめ

厚生労働省の調査によると、所定外給与の平均は1万9634円、所定外労働時間の平均は10.0時間です。一方、民間の調査では平均残業時間は21.0時間となっています。
 
また、4~6月(3~5月)に残業して給与が増えると標準報酬月額が高くなり、毎月の健康保険料や厚生年金保険料も高くなるため要注意です。残業代・時間の平均や社会保険料への影響を踏まえて、自身の働き方を考えましょう。
 

出典

厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和6年分結果確報(7~8ページ)
パーソルキャリア株式会社 転職サービス「doda」 平均残業時間の実態調査 残業が少ない・多い仕事は?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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