高校生の子どもが明け方まで電気・テレビ・パソコンをつけっぱなし…深夜0時で消した場合と比べて「年間の電気代」はいくら違う?
配信日: 2025.05.31

今回は、深夜0時に消灯・電源オフした場合と、明け方まで使い続けた場合の電気代の差額を試算し、ムダを抑える節電の工夫も紹介します。

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目次
照明・テレビ・パソコンの消費電力をチェック
以下はあくまで一般的な家庭用モデルの一例です。実際の消費電力はメーカーや型番によって異なる可能性がありますので、参考程度としてください。
・LED照明:10W
・液晶テレビ(中型):120W
・ノートパソコン:50W
これらを同時に使用した場合の合計消費電力は180W(0.18kW)になります。
深夜0時にオフ vs 明け方5時まで使用、電気代はどれだけ違う?
今回は、「夜19時~0時までの5時間使用」と「19時~翌朝5時までの10時間使用」の2パターンで電気代を比較します。
電気料金の単価は、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が目安としている「31円/kWh」を使用して計算します。
● 0時で消した場合(5時間使用)
0.18kW × 5時間 × 31円 = 約27.9円/日
→ 月間:約837円
→ 年間:約1万184円
● 明け方5時まで使用(10時間使用)
0.18kW × 10時間 × 31円 = 約55.8円/日
→ 月間:約1674円
→ 年間:約2万367円
0時で消した場合と明け方まで使用していた場合の電気代の差は、「年間で約1万円」となります。
電気代以上に気になる「生活習慣の乱れ」
電気代の差額も無視できませんが、もっと気になるのは夜型の生活習慣が固定してしまうことです。睡眠不足が続くと、子どもの集中力や健康状態に悪影響を与える可能性もあります。
文部科学省が中高生向けに作成した普及啓発資料では、睡眠不足や生活リズムの乱れが、学力・運動能力の低下や問題行動のリスクを高めることが指摘されています。特に中高生はスマートフォンなどの利用時間が長くなりがちで、慢性的な睡眠不足に陥りやすいでしょう。
就寝前のスマートフォンやゲームの使用によるブルーライトは、睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌を抑制し、寝つきを悪くする原因にもなります。電気の使い方や夜の過ごし方を見直すことは、節電だけでなく、子どもの心身の健康や生活リズムを守るためにも大切だといえるでしょう。
節電+早寝をうながすための工夫
家庭内で節電を進めるには、いくつかの工夫が考えられます。たとえば、スマート電球や照明タイマーを導入して、一定時間で自動的に照明が消える仕組みをつくるのもひとつの方法です。
また、夜間のデジタル機器の使用時間に制限を設けることで、自然と早寝をうながすこともできます。たとえば「23時以降はWi-Fiをオフにする」といった家庭内ルールも効果的かもしれません。
さらに、電気代を「見える化」して家族で共有することによって、子ども自身が節電の意識を持つきっかけにもなるでしょう。親子で話し合いながら、無理のない形で取り組んでいくことが大切です。
電気代の見直しが、生活全体の見直しにつながる
照明・テレビ・パソコンを朝までつけっぱなしにすると、年間で約1万円の電気代の差になることが分かりました。あくまで一例ではありますが、日々のちょっとした使い方が家計に影響を与えることは確かです。
一見すると「それほど大きな額ではない」と思われるかもしれませんが、年間で1万円を超える差は家計にとって決して小さくありません。さらに、複数の部屋で同じような使い方をしていれば、光熱費全体に与える影響はより大きくなります。
子どもの夜ふかしは、節約の面でも健康の面でも早めに見直しておきたいところです。生活リズムを整えながら、光熱費も上手にコントロールしていきましょう。
出典
公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー