温水便座の電源を「1年中オン」にしています。年間でいくら電気代を消費していますか?
配信日: 2025.05.27

しかし、その便利さの裏で気になるのが「電気代」。暖かくなってきた今、「そろそろ電源を切ったほうがいいのかな?」と迷う人もいるかもしれません。年間を通して電源をオンにしておくと、どの程度の電気代がかかるのでしょうか。この記事では、温水便座の電気代を試算してみます。

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目次
温水便座の年間消費電力量とは?
温水洗浄便座の電気代は、使用するタイプによって大きく異なります。便座を温めるだけでなく、おしり洗浄や脱臭、温風乾燥など、多機能なモデルが主流となっており、便利さと引き換えに消費電力量も増加傾向にあります。
なかでも、注目すべきは「お湯の温め方」の違いです。洗浄時に瞬間的に水を温めるタイプを「瞬間式」、あらかじめお湯をタンクにためておくタイプを「貯湯式」と呼び、それぞれで年間消費電力量に差があります。
経済産業省資源エネルギー庁の「省エネ性能カタログ(2024年版)」によると、年間の平均消費電力量は、瞬間式90 kWh、貯湯式160kWhが目安とされています。
つまり、貯湯式のほうが電力消費が多く、年間の電気代にも大きく影響します。タイプを見直すことで、毎月の光熱費を抑えられる可能性があるでしょう。
電気料金単価でみると年間いくら?
電気代の計算には、電力会社が定める「電力量料金単価」を使います。一般家庭の平均的な電気料金単価は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が目安としている「1kWhあたり31円(税込み)」を使用します。
この単価をもとに、瞬間式・貯湯式それぞれの年間消費電力量から電気代を試算すると、以下のようになります。
瞬間式:90kWh × 31円 = 年間2790円
貯湯式:160kWh × 31円 = 年間4960円
つまり、瞬間式なら約2800円、貯湯式なら約5000円が年間の電気代の目安になります。電源を常時オンにしている場合、これだけの電気代がかかっている可能性があるということです。
節電モードやこまめなオフで節約はできる?
温水洗浄便座は、使い方を少し工夫するだけでも電気代を抑えることができます。経済産業省資源エネルギー庁の資料によると、次のような省エネ行動によって、年間で数百円〜千円近くの節電効果が期待できます。
例えば、使わないときは便座のフタを閉めるだけで、年間34.90kWhの節電、電気代にして約940円の節約になります。フタを閉じることで、便座の保温に必要な電力を抑えることができるためです。
また、便座の温度を低めに設定することで、年間26.40kWh(約710円相当)、洗浄水の温度を下げると13.80kWh(約370円相当)の節電が可能とされています。これらはいずれも、貯湯式タイプで設定温度を「中から低」に下げたケースでの試算です。
これらの取り組みをすべて合わせれば、年間で最大2000円近くの節電効果が見込まれることになります。季節に応じて温度を調整したり、旅行に出かける際は電源をオフにしたりするなど、少しの工夫が家計の助けになるかもしれません。
待機電力だけでも意外と消費している?
温水便座は使用していないときでも、便座の保温やリモコンの待機機能などで待機電力を消費しています。資源エネルギー庁によると、家庭全体の電力使用量のうち約4~5%は待機電力で占められており、その一部を温水便座が担っているのは事実です。
したがって、「使わないときは電源オフ」が節約の基本となるでしょう。
見えないところでかかる電気代を意識してみよう
温水便座を1年中使い続けると、電気代はおよそ5000円前後になると見込まれます。ほかの待機電力機器と合わせると、年間で数千円~1万円単位の無駄が生じている可能性もあります。
特に、節電意識が高まる昨今、「ちょっとした使い方の見直し」が家計全体の支出を抑えるポイントとなるでしょう。快適さと節約を両立するためにも、温水便座の設定や使用習慣を1度見直してみてはいかがでしょうか。
出典
経済産業省 資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ 2024年版
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー