太陽光発電は「春夏」だともうかりやすい? もうからずに電力会社を変えたら「3万円」くらいは節約になる?

配信日: 2025.05.22

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太陽光発電は、季節によって発電効率が変わります。特に、売電して収入を得る場合は、太陽光パネルの設置条件や買取価格、電力会社との契約内容などについて事前に確認しておくとよいでしょう。
 
本記事では、太陽光発電と季節の関係や、電力会社を変えることで節約できるのかを紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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発電量と季節の関係

太陽光発電は、太陽エネルギーを電気に変換する発電方式です。枯渇しない太陽光を利用した、火力発電に代わる再生可能エネルギーの仕組みです。
 
太陽光発電は日射量に応じて発電量が増減するため、発電量が多い時期があります。発電量が安定して多いのは4~5月と8月、最も少ないのは12月です。
 
しかし、夏は太陽光パネルの表面が高温になり発電効率が低下するので、真夏よりも日射量が多く発電しやすい春のほうが安定した発電量を得ることができます。真夏に発電効率が低下するリスクを解消するには、温度上昇による出力低下を防ぐ性能の太陽光パネルを設置するのも一つの方法です。また、日照時間の短い冬は、発電量が低下します。
 

季節以外に発電量が変わる要因

太陽光発電は、一日の変動(朝・昼・晩)や天候、屋根の傾斜、障害物や影などによっても発電量が変わってきます。
 
一日のなかで最も日射量が多いのは昼間で、朝夕は少なく、夜には発電できません。また雨や曇りの日は、晴れている日と比べて発電量は減ります。
 
太陽光パネルを設置している屋根の向きも重要で、真南で傾斜は30度が理想です。さらに、屋根の周辺に障害物があると太陽光パネルに影ができてしまうため、環境を整える必要があります。
 
太陽光発電を利用して売電する際は、設備機器の設置条件を整備し、経済産業省が毎年公表している発電量の買取価格についてチェックしましょう。
 

買取価格の変動

経済産業省の外局である資源エネルギー庁が公開している「買取価格・期間等(2025年度以降)」から、太陽光発電1kWh当たりの価格を図表1にまとめました。
 
図表1

50kW以上
(地上設置)
10kW以上
50kW未満
10kW以上
(屋根設置)
10kW未満
2024年度 9.2円 10円 12円 16円
2025年度
(4~9月)
8.9円 10円 11.5円 15円
2025年度
(10~3月)
8.9円 10円 19円(~5年)
8.3円(6~20年)
24円(~4年)
8.3円(5~10年)
2026年 8.6円 10円 19円(~5年)
8.3円(6~20年)
24円(~4年)
8.3円(5~10年)
調達期間/交付期間 20年間 20年間 20年間 10年間

資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2025年度以降)」を基に筆者作成
 
太陽光発電の買取価格は、FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)開始の2012年に1kWhあたり42円でスタートし、2024年度は1kWhあたり16円、2025年には15円と大幅に下落してきています。
 
売電収入について環境省の「令和3年度再エネ導入ポテンシャルに係る情報活用及び提供方策検討等調査委託業務報告書」によると、例えば首都・東京(新宿区)の年間の発電量係数は1345kWhなので、太陽光発電5kWの容量の場合の電力量は以下のとおりです。
 
 ・1345kWh×5kW=6725kWh
 
経済産業省「太陽光発電について」のデータによると、余剰売電比率の平均67.3%で、東京(新宿区)1年間の売電量を計算すると以下のとおりになります。
 
 ・6725kWh×67.3%=約4525kWh
 
これらを基に1年間の売電収入を計算すると、以下の数値になります。
 
 ・売電量4525kWh×買取単価15円/kWh=年間売電収入 6万7875円
 
太陽光発電の売電期間は住宅用の場合は10年間なので、単純計算では67万8750円の収入となります。ただし、年間の発電量は季節や天候など設置環境によって左右されるため、発電量が見込みよりも少なく、売電収入が減ることも想定されます。
 

電力会社を変えるメリット

売電収入を安定させるためには、高い買取価格に設定している新電力会社に変える方法もあります。
 
一部の新電力会社では、経済産業省が公表する買取価格より1~2円高いプレミアム単価を設定したプランを提供している場合があります。買取単価が高くなることで売電収入が増えるため、電気料金が安いプランを選ぶことで、条件によっては約3万円節約できるかもしれません。
 

太陽光発電の発電量は季節や設置条件で変わる

太陽光発電は季節、日々の天候や屋根の傾斜、障害物など、さまざまな要因によって発電量が変化します。売電収入を得る場合は、これらの条件をはじめ、経済産業省の買取価格や新電力会社のプランをこまめに確認して、節約につなげましょう。
 

出典

環境省 家庭部門のCO2排出実態統計調査 家庭のエネルギー事情を知る
経済産業省資源エネルギー庁 買取価格・期間等(2025年度以降)
環境省 令和3年度再エネ導入ポテンシャルに係る情報活用及び提供方策検討等調査委託業務報告書 P115
経済産業省 太陽光発電について 2024年12月 P41
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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