電気料金の案内電話がよくかかってきます。「新電力会社」に乗り換えるとお得になるのでしょうか?

配信日: 2025.05.19

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電気料金の案内電話がよくかかってきます。「新電力会社」に乗り換えるとお得になるのでしょうか?
最近、電気料金の案内電話が頻繁にかかってくるという人が増えています。多くの場合、「今の電力会社よりも安くなる」「セット割でお得になる」といった勧誘で、新電力会社への乗り換えをすすめられます。では、新電力会社に乗り換えることで本当にお得になるのでしょうか?
 
本記事では、新電力の仕組みや乗り換えのメリット・デメリット、選ぶ際の注意点などを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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新電力会社とは? 乗り換えのメリット・デメリットを整理

新電力会社とは、2016年4月の電力小売全面自由化以降、家庭向けの電力販売に参入した企業のことです。以前は地域の大手電力会社しか選べませんでしたが、現在では数百社以上の新電力会社が存在しており、利用者が自由に選べる時代となっています。
 

■メリット:電気代の節約やサービスの多様化

新電力会社の最大の魅力は、電気料金が安くなる可能性がある点です。特に、日中に電気を多く使う家庭向けのプランや夜間が安くなるプランなど、自分の生活スタイルに合った料金体系を選べるのが大きなポイントです。
 
また、携帯電話やインターネット回線とのセット割、ポイントが貯まるサービスなどを展開する企業も多く、電気以外の面でもお得感があります。再生可能エネルギーに力を入れる企業もあり、環境意識の高い人にとっては魅力的な選択肢ともいえるでしょう。
 

■デメリット:料金の変動リスクや会社の信頼性に注意

一方で、注意すべき点もあります。例えば、料金が市場連動型のプランの場合、燃料価格や市場の変動によって突然電気代が高騰することがあります。2022年のエネルギー価格の高騰時には、一部の家庭で「逆に高くなった」と不満の声が相次ぎました。
 
さらに、新電力会社のなかには経営基盤が不安定なところもあります。実際に、ここ数年で事業から撤退する会社もありました。こうした場合、利用者は自動的に地域の大手電力会社に切り替えられる仕組みになってはいるものの、一時的に不安や手続きの手間が生じる可能性があります。
 

電話での勧誘には要注意! 乗り換え前に必ず確認すべきポイント

電話での電気料金の案内は、販売代理店による営業活動であることがほとんどです。「料金が安くなる」と言われると魅力的に聞こえますが、その場で契約してしまうのは危険です。以下のポイントを必ず確認しましょう。
 

・本当に安くなるのか?

提案された料金プランが、自宅の使用状況に合っているかどうかを見極める必要があります。例えば、契約アンペア数や季節による使用電力量によっては、逆に割高になることもあります。
 

・契約条件に落とし穴はないか?

新電力会社のなかには、契約縛りで最低契約期間が設定されていたり、途中解約に違約金がかかったりする場合もあります。トラブルを避けるためには、事前に契約内容をよく読み、疑問点があればはっきり確認しましょう。
 

・勧誘元の会社は信頼できるか?

電話の相手が実際の電力会社ではなく、代理店や個人営業である場合、説明が不正確だったり、誇大表現したりすることもあります。契約前には必ず、公式サイトや消費者センターで事業者情報をチェックするのがおすすめです。
 

新電力会社を選ぶときの3つのコツ

新電力に切り替えるかを判断する際は、以下の3点を意識すると失敗を避けやすくなります。
 

1. 料金シミュレーションを行う

多くの新電力会社のWebサイトでは、現在の検針票をもとに月々の電気代をシミュレーションできます。まずは、ここで自分のケースで本当に安くなるのかを確認しましょう。
 

2. 信頼できる会社を選ぶ

有名企業が母体となっている新電力会社は倒産リスクが比較的低く、サポート体制もしっかりしています。また、過去の顧客レビューなども参考にしましょう。
 

3. 契約前に口コミや評判を調べる

SNSや口コミサイトで、実際の利用者の声をチェックするのも有効です。料金以外にも、「サポートの対応が悪かった」「解約が難しかった」といった声がある場合は、慎重に見極めましょう。
 

焦らず、納得してから契約するのがベスト

新電力会社への乗り換えは、うまく選べば月々の電気代を安くする良い手段となります。ただし、すべての人にとってお得とはかぎりません。市場連動型のリスクや契約条件、企業の信頼性などを十分に確認したうえで、自分に合ったプランを見極めることが大切です。
 
また、電話での急な勧誘に対しては、即決せず一度冷静になることが重要です。「資料を送ってもらう」「後で公式サイトを見て判断する」といった対応を取りましょう。
 
納得できる電力会社と契約すれば、節約だけでなく安心して日々の暮らしを送ることができます。焦らず、確実に選ぶことが、かしこい電力切り替えの第一歩です。
 

出典

経済産業省 資源エネルギー庁 電力小売全面自由化
独立行政法人 国民生活センター 電気・ガスの契約トラブルにご注意!-若年層は訪問販売、それ以外の年代は電話勧誘販売の相談が見られます-
独立行政法人 国民生活センター 電話勧誘での電気の契約切り替えについてトラブルが急増しています-切り替える意思が無ければ、検針票に記載された情報は伝えないようにしましょう-
入間市 「電気料金が安くなる」などの勧誘にご注意を!
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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