時短勤務で「手取り15万円」だけど、控除と支援で「実質収入」アップ! 知らなきゃ損する“制度活用”とは?

配信日: 2025.05.19

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時短勤務で「手取り15万円」だけど、控除と支援で「実質収入」アップ! 知らなきゃ損する“制度活用”とは?
毎月の収入の中で、家計をやりくりするのは簡単なことではありません。子育てにも何かとお金がかかります。
 
実は、節税や支援制度を活用するだけで、手取り額を実質的に増やせる方法があるのを知っていましたか? 本記事では、知らないと損する節税・支援制度を解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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そもそも2人以上の世帯の生活費って?

総務省の2024年の家計調査報告をもとに見ていきます。2人以上の世帯の消費支出を10大費目別にみると図表1の通りになりました。
 
図表1

項目 月々の支出の平均額
食料 8万9936円
光熱・水道 2万3111円
家具・家事用品 1万2788円
被服及び履物 9985円
保健医療 1万5348円
交通・通信 4万1731円
教育 1万1705円
教養娯楽 3万240円
その他の消費支出 4万7311円
合計 28万2128円

総務省統計局 家計調査報告 [家計収支編] 2024年(令和6年)平均結果の概要 より筆者作成
 
図表1のように、2人以上の世帯の支出額はおおよそ30万円になります。なお、住居費については持ち家か賃貸かで大きく異なるため、ここでは省いています。主に夫の収入でこの支出を賄っている場合、妻の収入が増えればその分を貯金に回せるため、余裕が生まれるでしょう。
 

制度活用で実質手取りが増える仕組み

では、実際すぐに使える制度としてどのようなものがあるのか紹介していきます。
 

1. ふるさと納税

ふるさと納税とは、自分のふるさとや応援したい自治体に寄附ができる制度のことです。寄附することで、居住地の自治体の住民税の減額(控除)や税務署から所得税の払い戻し(還付)を受けられます。節税だけでなく、地域の名産品などのお礼の品も手に入る魅力的な仕組みです。
 
例えば、年収約230万円の場合、自己負担2000円で控除上限額(目安)は1万6000円です。米や日用品などを返礼品で受け取れば、その分の支出が抑えられます。
 

2. 医療費控除

次に医療費控除を使った節税です。医療費が年間10万円以上かかった場合(年間所得200万円までの場合は所得の合計額の5%)、所得控除が受けられ、税金が還付されます。
 
医療費は生計を一にする家族の分を合算できるので、配偶者や子どもの分も合わせて計算することがおすすめです。

・計算方法

医療費控除対象額〈最高200万円〉=年間支払い医療費合計(1/1~12/31)-保険金や給付金-10万円
所得金額が200万円までの場合、所得金額の5%の金額

例えば、年間15万円の医療費-1万5000円の保険金-所得金額の5%である9万円……
15万円-1万5000円-9万円=4万5000円
 
実際に戻ってくる金額(還付金)=医療費控除額×所得
 
所得税率はこの場合10%になるので、4万5000円×0.1=4500円となります。つまり、医療費控除をすることでプラス4500円になります。
 

3. 育児時短就業給付金

こちらは、2025年4月1日から始まったばかりの新しい制度です。雇用保険の被保険者が、2歳未満の子を養育するために所定労働時間を短縮して就業した場合、一定の要件を満たすと「育児時短就業給付金」の支給を受けられます。
 
育児時短就業給付金の支給額は、基本、育児時短就業中の各月に支払われた賃金額×10%で算出されます。
 
例えば、賃金額が15万円の場合、15万円×0.1=1万5000円
つまり、申請することによって手取りを月1万5000円増やすことができます。
 

注意点

以上の3つの制度を使い、節税や手取りを増やせることが分かりました。しかし、それぞれ注意点があります。
 
まず、ふるさと納税の上限額は必ず確認しましょう。控除限度額を超えた場合は、自己負担になってしまいます。せっかく節税するために行ったのに、逆に支払う額が増えてしまっては意味がありません。
 
今回は簡単にシミュレーションをしましたが、詳細な上限額を知りたい場合は「源泉徴収票」または「確定申告書の控え」を用意してください。
 
また、医療費控除に関しては確定申告が必要です。申請する際は「医療費控除の明細書」を作成しますが、明細書の記入内容の確認のため、税務署から領収書の提出を求められる場合があるので、医療費控除の明細書と領収書をしっかり保管しておいてください。
 
最後に育児時短就業給付金ですが、受給対象者や支給要件、支給額なども細かい注意事項があるので、詳細は公式ホームページなどから、自分が対象かどうか確認してください。
 

まとめ

手取り15万円で、ふるさと納税や医療費控除、場合によっては育児時短就業給付金の申請を行うことで、実質の収入を増やせることが分かりました。
 
増えた分を貯金に回すだけではなく、日々のご褒美としてちょっと豪華な外食代に使うのもいいですね。ほかにも、少し貯めて旅行の足しや、家族のプレゼント代にするなど、今ある生活が少しでも豊かになるのではないでしょうか。
 
計算したり書類をそろえたりすることは手間ではありますが、ぜひ自分の生活のために取り組んでみてください。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告 [家計収支編] 2024年(令和6年)平均結果の概要
国税庁 No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国税庁 医療費控除の明細書
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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