1人暮らしを始めた「年収300万円」の新社会人。職場の新宿付近はランチが「1000円」以上するので、代わりにお弁当を作りたい! 自炊すると毎月いくら浮きますか? 具体的な金額を試算
配信日: 2025.05.19

例えば、勤務地が新宿のように都市部の場合など、ランチ1食が1000円を超えることは珍しくありません。これが毎日となれば、月々の出費は相当なものになります。
実際、年収300万円で一人暮らしを始めたばかりの新社会人であれば、月々の可処分所得(自由に使えるお金)はそう多くはないでしょう。家賃や光熱費、通信費、そして初めての一人暮らしに必要な生活用品をそろえる出費……その中で、毎日1000円のランチ代はなかなかの負担です。
そこで、節約の第一歩として浮上するのが「手作り弁当」という選択肢です。ですが、物価が上がっているのは外食だけではなく、米や卵、冷凍食品などお弁当の材料も例外ではありません。では、実際に手作り弁当に切り替えたらどれほど節約になるのでしょうか?
今回は公的な調査結果や食品価格を基に手作り弁当と外食ランチのコストを比較し、1ヶ月にどれだけの差が生まれるのかをシミュレーションしてみました。

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手作り弁当の平均コストは1食あたり222.3円
2024年に実施された株式会社ニチレイフーズの「全国お弁当事情に関する調査」によれば、お弁当にかかる1食あたりの材料費は全国平均で222.3円という結果が出ています。これを都道府県別に見ると、最も高いのが沖縄県で273.6円、最も低かったのが群馬県で168.2円と地域差はあるものの、おおむね200円台前半に収まっています。
では、この全国平均222.3円という数字、どれほど妥当なのでしょうか? ここで、実際の市販商品を使って鶏からあげ弁当を作り、具体的に計算してみましょう。
実例シミュレーション:お弁当1食のコストはこうなる
・ご飯
お弁当のご飯の量を150グラムとすると、炊飯前の米換算で約60グラム。ネットスーパーで販売されている5キログラム4080円(税込)のお米を使用すると、1食あたりは約51.3円です。
・冷凍おかず(主菜)
日本ハム「若鶏の塩からあげ」6個入り214円(税込)」を3個使うと、1食あたり107円です。
・冷凍おかず(副菜)
トップバリュの「6種の和惣菜」は6個入り171円(税込)。この中から1品使えば、1食あたり28.5円です。
・ゆで卵
10個入り290円(税込)の卵を1個使用すると、29円になります。
この内容でお弁当を作ると1食あたりの合計は215.8円となります。この金額は株式会社ニチレイフーズの「全国お弁当事情に関する調査」の結果とほぼ一致しています。
もちろん、使用する食材や量、光熱費などによって多少の上下はありますが、200円~230円程度に収めることは十分現実的だといえるでしょう。
外食と比べてどのくらい節約になる?
それでは、手作り弁当と外食を比較して1ヶ月あたりどれくらいの差が出るのかを見ていきましょう。平日の週5日、月に20日出勤と仮定した場合でシミュレーションしてみます。
外食ランチ
1000円 20日=2万円
手作り弁当
222.3円×20日=4446円
差額は、
2万円-4446円=1万5554円
つまり、毎日お弁当を持参すれば1ヶ月で1万5554円の節約ができる計算です。
仮に半年続ければ9万3324円、1年で18万6648円の差になります。新社会人にとってこれは決して小さな金額ではないのではないでしょうか。家具や家電の購入費用、急な出費に備えるための貯金、さらには旅行や趣味など生活を豊かにするために使えそうですね。
でも、手間がかかるのが悩みどころ……
お弁当を作ればランチ代が大きく節約できることが分かりました。とはいえ、毎日お弁当を作るのは簡単なことではありません。朝は早起きしなくてはいけないし、仕事終わりに買い物に行くことや、翌日のお弁当の準備をするのもなかなか大変です。最初は張り切って挑戦するものの、途中で挫折したくなるかもしれません。
そこで、まずは週に一度の手作り弁当から始めてみる、自然解凍できる冷凍食品に頼るなど、無理のない範囲から始めるのがおすすめです。新しい環境や仕事に慣れて余裕が出れば、手作り弁当の回数を増やしたり、作り置きに挑戦したりするのもいいですね。
まだまだ始まったばかりの社会人生活ですから、ストレスにならないペースで「弁当生活」を取り入れてみてください。
出典
株式会社ニチレイフーズ 全国お弁当事情に関する調査 2024
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー