更新日: 2024.10.10 その他家計

「8畳」の部屋にエアコンを購入したい場合「6畳用」で事足りますか?「60年間」変わらぬ「畳数の目安」に潜む落とし穴とは

「8畳」の部屋にエアコンを購入したい場合「6畳用」で事足りますか?「60年間」変わらぬ「畳数の目安」に潜む落とし穴とは
エアコンを購入する際、目安として畳数をチェックする方も多いでしょう。しかし、実際は戸建てやマンション、アパートでは条件が異なるため、畳数表示のみを基準として購入すると適切ではない可能性があります。
 
そこで本記事では、エアコンを購入する際の適用畳数の目安や選ぶ際のポイントについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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エアコンを購入する際の目安となる「畳数」には落とし穴がある

エアコンを購入する際、自分の部屋には何畳用のエアコンが適しているか迷う方もいるでしょう。目安として「6畳用」「8畳用」といった表示をチェックする方も多いのではないでしょうか。
 
しかし、この「畳数」には落とし穴がある場合があります。なぜなら、畳数表示は1964年に制定された規定といわれているためです。
 
1964年の家の構造と現在の家の構造は異なります。1964年頃は木造住宅が一般的でしたが、現在は木造だけでなく、鉄骨や鉄筋コンクリートの住宅も増えています。そのため、昔の基準で定められた畳数のみを目安として購入すると無駄な電力を使うなど失敗の原因となる可能性があります。
 

適用畳数の目安とは

エアコンを購入する際の適用畳数は一般的に「8~12畳」のように表記されています。家の構造上、木造住宅と鉄筋住宅とでは機密性の違いから室内を適温にする能力に差が出るからです。
 
例えば、「8~12畳」と表記されている場合、低い方の数字は木造平屋建て南向き和室を基準、大きい方の数字は鉄筋アパート南向きを基準にしているようです。
 
そのため、設置する予定の部屋の構造の違い(木造か鉄筋か)、部屋の向きなどがどちらに近いかを考えて購入の目安としましょう。
 

エアコンの電力効率は部屋の条件や暖房・冷房によって異なる

エアコンは、暖房と冷房とでは室内を適温にする能力が異なるため、それぞれの「能力(キロワット)」が表記されています。一般的な6畳用のエアコンの能力と消費電力を表1にまとめました。
 
表1

畳数の目安 能力(キロワット) 消費電力(ワット)
冷房 6〜9畳(10〜15平方メートル) 約2.2キロワット 約420ワット
暖房 6〜7畳(9〜11平方メートル) 約2.5キロワット 約460ワット

※筆者作成
 
同じエアコンでも、冷房と暖房では能力や消費電力が異なることが分かります。冷房より暖房の方が消費電力が大きく、エアコン自体のパワーも必要です。そのため、暖房を使用する場合、8畳の部屋に6畳用のエアコンでは部屋が十分に温まらない可能性もあることを理解しておきましょう。
 
ここで、6畳用のエアコンと8畳用のエアコンを設置した場合の電気代を比較してみます。電気代の計算式は以下の通りです。
 
計算式:期間消費電力量 × 料金単価(円/キロワットアワー)
 
なお、期間消費電力は600キロワットアワー(6畳用)と、700キロワットアワー(8畳用)とします。電気単価は、公益財団法人全国家庭電気製品公正取協議会が定める31円/キロワットアワーとします。
 
上記で計算すると、6畳用のエアコンの場合は年間1万8600円、8畳用のエアコンの場合は2万1700円の電気代がかかるようです。
 
つまり、畳数に合わないエアコンを設置すると、年間で3100円ほど損する可能性があります。
 

エアコンの畳数以外で選ぶ際のポイント

エアコンを選ぶ際、畳数を目安にするのであれば、ますは木造か鉄筋かを確認することが大切です。
 
それ以外にもエアコンは設置場所によって使用頻度も異なります。例えば、リビングやダイニングが同じ部屋でキッチンが近い間取りなら、料理中は部屋の温度が上がりやすいため対応畳数より3畳程度大きいものを選ぶとよいでしょう。
 
寝室に設置したい場合、快適に睡眠が取れるように「乾燥を防ぐ機能」や「快眠機能」といった付加機能がついたタイプもおすすめです。また、使用頻度が高いエアコンは、省エネ機能性能に優れたエアコンを選ぶと電気代をおさえることができるでしょう。
 

条件によっては8畳の部屋に6畳用のエアコンの設置も可能

エアコンを選ぶ際は、家の構造や向きによって条件が異なります。また、冷房と暖房では同じエアコンでも適用畳数が異なるため、確認してから購入しましょう。
 
木造で冷房のみ使用する頻度が高い場合は、8畳の部屋に6畳用のエアコンを購入してもよいと考えられます。暖房も使用するのであればもう少し大きいタイプのエアコンがおすすめです。できるだけ無駄な電力を使わないよう、部屋のサイズや設置場所に適切なエアコンを購入しましょう。
 

出典

公益財団法人全国家庭電気製品公正取協議会 よくある質問Q&A その他の質問 カタログなどに載っている電力料金の目安単価とは何ですか?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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