更新日: 2024.07.24 働き方
男性でも育休を取得できると聞きましたがどのくらいの人が取っていますか? また育休中の給料がどうなるか知りたいです。
そこで、本記事では男性が育休を取る際に知っておきたい、実際の取得率や給料の目安について紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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育休はどれくらいの男性が取得している?
まずは、育休の取得率について確認しましょう。厚生労働省が毎年発表する「令和4年度雇用均等基本調査の結果概要」によると、育休の取得率は下記のとおりです。
女性:80.2% (令和3年度は85.1%)
男性:17.13%(令和3年度は13.97%)
女性は前年度から低下していますが、男性は上昇傾向にあります。かつては「育休は女性が取るもの」という考えが一般的でしたが、近年は国や企業が主体となって男性の育休を推進していることから、ひと昔前に比べると、男性でも比較的育休を取りやすくなっているようです。今後もますます男性の育休取得は一般的になり、浸透していく可能性があるでしょう。
育休中のお金
育休を取得できると分かっていても、気になるのが給料です。休みは取れるものの給与が減ってしまうと、生活に影響をおよぼす恐れがあり、不安になってしまうでしょう。実は、育休中は雇用保険から育児休業給付金が支給されるため、給料がゼロになることはありません。
育休中に支払われる具体的な給与額は、現在受け取っている給料を基準に育休取得後6ヶ月までは67%、それ以降は50%を乗じた金額が支払われます。育休中に支払われる給与額は本来のものよりも減ってしまいますが、社会保険料が免除されるため、給与から引かれる金額を減らせる点がメリットです。
例えば、現在30万円を受け取っている場合、育休に入ってから6ヶ月目までは20万円ほどの給料になり、半年後以降は50%のため15万円となります。
育休取得後に得られるメリット
本項では、育休取得で得られるメリットについて紹介します。育休を取得すると、仕事から一定期間離れることになりますが、その分、家族のために時間を費やすことができる点がメリットです。
家庭内不和を防止
育休を取得すると、男性も子育てに主体的に参加でき、パートナーと協力しながら子育てをしていけるでしょう。働きながら夜や休日のみ子どもと関わる場合、子どもについて生活の限られた部分しか分かりません。
そのため、1日中子どもと一緒にいるパートナーから不満を漏らされることもあるでしょう。しかし、双方が育休を取得し、子どもと過ごす期間を長く確保できると、お互いに共通認識を持ったうえで、子育てに取り組むことができます。
子どもが生まれると、夫婦ともに十分な時間が取れなくなり、精神的なゆとりがなくなる傾向にあります。その結果、お互いをいたわったり感謝したりする機会が減るかもしれません。特に、子どもが第一子の場合は、夫婦ともに親としては初心者で、何もかも初めての経験になります。
精神的に余裕を持った状態で子育てをしたくても、なかなかできずにジレンマに陥ることもあるでしょう。そんなとき、夫婦ともに育休を取得することができれば、精神的にも時間にもゆとりを持った状態で子育てできます。給料は減りますが、家庭内不和を避けられるのは大きなメリットです。
他の社員とのコミュニケーション活性化
育休を通して、社内でのコミュニケーションの大切さに気づくこともあります。育休で仕事から離れると、家族以外の人とのコミュニケーションを取る機会が減ってしまうため、仕事仲間との会話が恋しくなることもあるでしょう。
その分、育休から復帰したときには、他の従業員と積極的にコミュニケーションを取ったり、自分と同じように父親として働く仲間と新たな交流を持てたりします。育休を通じて人とのつながりの大切さを認識できる点は大きなメリットです。
子育てを行うなかで、家族のみで解決できず、周囲からの助けが必要になることは多くあります。そんなときに必要となる人とのつながりを、一日の大半を過ごす会社で確保できることは大きなメリットといえるでしょう。
育休を検討しよう
育休を取得すると、キャリアや給料等にどのような影響があるのか気になる人は多いでしょう。しかし、育休を取得することで、長く続く育児の基盤を固められる点は、大きなメリットです。男性の育休はまだ浸透したとまではいえない状態ですが、取得する人は徐々に増えてきています。デメリットだけでなく、メリットも把握したうえで育休を検討しましょう。
なお、育休を取得する際は、自分の後任になる人と入念な話し合いも必要です。企業にとっても自分にとっても無理のない育休取得を目指しましょう。
出典
厚生労働省 「令和4年度雇用均等基本調査」の結果概要
厚生労働省 育児休業給付の内容と支給申請手続
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー