更新日: 2024.07.03 その他家計

EV車は日産の「サクラ」が人気だと聞きました。わが家は賃貸なので「充電器」を設置できないのですが、それでも電気自動車は「お得」ですか?

EV車は日産の「サクラ」が人気だと聞きました。わが家は賃貸なので「充電器」を設置できないのですが、それでも電気自動車は「お得」ですか?
電気自動車(EV車)の2023年度国内販売台数トップは、日産自動車の「サクラ」でした。電気自動車は、ガソリン車に比べて環境に優しく、走行コストも抑えられると注目を集めています。
 
ただ、賃貸住宅に住んでいることで、自宅駐車場に充電設備を設置できず、EV車の購入を迷っている人も多いのではないでしょうか。
 
そこで、日産サクラを例に、賃貸住まいの人でもお得なのかを考えてみましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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燃料代だけで考えるとEV車はお得

EV車の最大のメリットは、燃料代を大幅に節約できることです。搭載されているバッテリーの容量次第で走行可能距離が変わりますが、サクラの場合は容量20kwhのバッテリーをフル充電すると、約180kmの走行が可能です。
 
電気料金を31円/kwh(公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が設定している電気料金の目安単価)とすると、20kwhのバッテリーを充電するために、20kwh×31円=620円かかる計算となります。ここから、サクラで1km走るのに、620円÷180km=約3.4円/kmかかるということが分かります。
 
これをガソリン車と比べてみましょう。リッターあたり20kmの燃費のガソリン車であれば、ガソリン価格が1リットル 174.8円(6月24日時点)とすると、1km走るのに174.8円÷20km=約8.7円となります。
 
1km走るのに必要な燃料代が、EV車サクラだと 3.4円で済むのに対し、ガソリン車だと8.7円かかり、倍以上の差になるのです。このようにEV車は燃料代に関して大きなメリットがあります。
 

EV車のデメリット

EV車のデメリットは、充電に時間がかかることです。自宅に200V(15A)の充電設備を用意したとして、満充電まで約8時間かかります。夜帰宅して、翌朝出掛けるまでに充電時間を十分確保できれば問題ありませんが、充電の時間があまりとれなかったり、充電を忘れて出掛ける直前にバッテリー不足に気づいたりすることもあるかもしれません。出先で充電することを考えておく必要もあるでしょう。
 
また、充電設備の設置には費用がかかります。200VのEV充電用コンセントであれば10万円程度かかり、初期費用がかかることもデメリットといえます。
 

自宅に充電設備を設置できない時どうするか?

EV車を購入する場合、自宅に充電設備を用意し、帰宅後や自動車を使っていない時、いつでも手軽に充電できる環境を整えることがベストといえます。
 
とはいえ、賃貸住宅に住んでいて駐車場にEV充電設備を設置できないこともあるでしょう。そんな場合でも、自宅近くの充電スポットを活用することで、十分に代用は可能です。ショッピングモールやカーディーラー、飲食店など、全国いたるところに充電スポットがあります。
 
充電スポットを利用する際は、主要な自動車メーカーなどが提供している充電サービスを活用するとよいでしょう。充電サービスの契約をすることで、自宅ではできない急速充電も利用可能です。急速充電とは、文字通り自宅での普通充電に比べて高速に充電できる充電方式のことです。
 
例えば、日産では「ZESP3(日産ゼロ・エミッションサポートプログラム3)」という充電サービスを提供しています。毎月4400円のプラン「プレミアム100」には、急速充電100分、普通充電600分の無料充電サービスが含まれており、それで足りない場合は、急速充電44円/分、普通充電3.3円/分で充電できます。
 
サクラだと、急速充電30分で約50%(90kmの走行)の充電が可能となるため、週100km程度の走行であれば、基本料金4400円の範囲内で済むでしょう。自宅近くに急速充電可能な充電スポットがあるかは、EV車の購入前に確認しておきましょう。
 

まとめ

EV車の一番のメリットは燃料代の節約にあり、自宅に充電器を設置する初期費用や充電に時間がかかるデメリットをふまえても、なお魅力的ではないでしょうか。
 
賃貸のため充電器が設置できない場合でも、近隣の充電スポットをうまく活用すれば、節約の効果は十分に享受できるはずです。
 
ただ、急速充電可能なスポットが自宅近くにないなどの事情があると、充電するために余計な時間と手間がかかり、逆に不便な生活を強いられる可能性もあります。賃貸で充電器が設置できない人がEV車を購入する際は、便利な充電環境が周りにあるかについても、慎重に考えた方がいいでしょう。
 

出典

日産自動車株式会社 ニュースリリース 「日産サクラ」が2023年度の国内販売で電気自動車販売台数No.1を獲得
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問Q&A
経済産業省 資源エネルギー庁 石油製品価格調査
日産自動車株式会社 日産ゼロ・エミッションサポートプログラム3(ZESP3)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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