更新日: 2024.07.02 働き方

役職がつくと「残業代をもらえない」と聞きました。部長や課長は残業代がなくても給料が高いということですか?

役職がつくと「残業代をもらえない」と聞きました。部長や課長は残業代がなくても給料が高いということですか?
管理職になると残業代をもらえないと聞いたことがある人もいるでしょう。一般社員として働いているときに残業代を多く受け取っていた場合、管理職になって年収が減ってしまうのではないかと心配する人もいます。
 
本記事では、役職別の平均給与を紹介するとともに、管理職になるメリットやデメリットを紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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役職別に見た平均給与

令和5年賃金構造基本統計調査によると、役職別に見た平均給与は表1の通りです。
 
表1

合計 男性 女性
部長級 59万6000円 60万4100円 52万1000円
課長級 49万800円 50万700円 43万800円
係長級 37万800円 38万2300円 33万5900円
非役職者 29万1100円 31万1900円 26万300円

※厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」を基に筆者作成
 
男女ともに、役職があると非役職者の平均給与を大きく上回ると分かりました。部長級の管理職になると、非役職者よりも26万~30万円ほど給与が高くなります。
 

管理職になるメリット

ここでは、管理職になるメリットを2つ紹介します。将来の働き方に迷われている方はぜひ参考にしてください。
 

収入が上がる

昇進して役職がつくと基本給が上がり、役職手当が支給されるのが一般的です。昇給額の幅は業界や企業によって異なりますが、基本的に年収はアップするでしょう。副業によって収入をアップさせる場合、ゼロからのスタートになるため負担が大きいと考えられます。
 
すでに業界の中でも給与水準の高い企業にいる場合、転職による収入アップが望めない可能性もあるでしょう。そのため、昇進による収入アップはメリットの一つといえます。
 

さらなるキャリアアップを目指せる

管理職としてチームや部署全体をまとめ成果をだせば、さらなるキャリアアップにつながります。責任のある仕事を担い、実績を上げ続ければ、取締役や執行役員など経営幹部として働ける可能性もあります。経営幹部になれば企業全体の業績を左右するような大きな役割を担うため、やりがいが増すうえに収入アップも見込めるでしょう。
 

管理職になるデメリット

ここでは、管理職として働く際のデメリットを2つ紹介します。役職がつくと収入アップややりがいが増すといったメリットもありますが、人によってはデメリットを大きく感じるかもしれません。両方を把握し自分にあった働き方を選べるようにしましょう。
 

一般社員よりも責任が重くなる

管理職は自分の業務だけではなく、チームや部署全体の業務に責任を持たなければならないでしょう。部署で成果を上げた際は評価を受けられますが、業績不振に陥ったり目標達成に至らなかったりすると、責任を問われる可能性があります。
 
また部下がミスをしてしまったり、成績が伸び悩んでいたりすることに対しても責任を負わなければなりません。トラブルが発生すれば対処に追われたり、顧客に対して謝罪したりと通常業務以外の仕事も多く発生するでしょう。常に成果を求められる立場となり、プレッシャーに感じる人もいます。人によっては大きなストレスとなってしまう可能性があります。
 

残業代が発生しなくなる可能性がある

管理職になり、残業代が支払われなくなったという話はよくあるようです。管理職としての働き方が労働基準法上の「管理監督者」に該当する場合、企業は管理職に対して時間外手当を支払う必要がなくなります。そのため、管理職になると残業代が支払われないという事態が発生するのです。
 
ただし、管理職すべてが管理監督者に当てはまるわけではありません。管理監督者とは経営者と一体的な立場にあるものとされています。管理職でも職務内容や責任権限の範囲などによっては、管理監督者に該当しないケースもあります。管理監督者に該当しない管理職であれば、企業は一般社員同様に残業代を支払わなければならないでしょう。
 

役職があると残業代が支払われない可能性はあるが収入はアップする

役職がついて管理監督者に該当すると残業代の支払いが行われなくなる可能性があります。しかし、一般的に基本給のアップや役職手当の支払いなどが行われるため、全体の年収は上がるケースが多いでしょう。管理職は責任が重くなりますが、その分やりがいが増し、成果が出たときには大きな達成感や充実感を味わえるでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査の概況(14ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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