更新日: 2024.06.19 貯金

40代、手取り30万円で「貯蓄2000万円」を達成しました。それでも「将来への不安」が消えないのですが、いつまで貯金を続ければいいのでしょうか? とにかく老後が不安です…

40代、手取り30万円で「貯蓄2000万円」を達成しました。それでも「将来への不安」が消えないのですが、いつまで貯金を続ければいいのでしょうか? とにかく老後が不安です…
物価の高騰や金利の上昇。私たちの家計は苦しくなる一方です。お金が順調に貯まり目標額に達しても「なんだ、こんなものか」「もっと貯めないと将来が不安」とあまり充実感を得られない人もいるでしょう。
 
本記事では、貯金をしても不安な理由や貯金計画の見直し方などを解説します。漠然と貯金を続けている人やどれだけ貯金しても不安な人はぜひ参考にしてください。

貯金をしても充実感がない理由

お金を貯めても充実感を得られないのは、以下の理由が考えられます。

●お金に対して必要以上に不安や思い込みがある
●将来の必要最低額が分かっていない

「破産したらどうしよう」と過度に生活を心配したり、十分に貯金できているにもかかわらず「まだ足りていない」と考えたりすると、どれだけお金を貯めても必要以上の不安に襲われます。
 
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査2023年」によれば、単身世帯では全国2500世帯のうちの77.9%、2人世帯では全国5000世帯のうちの78.5%が老後の生活について「非常に心配である」「多少心配である」と回答しています。
国内の景気が停滞した「失われた30年」や上がり続ける社会保険料を目の当たりにしたからこその「貧困マインド」が染み付いている可能性もあるでしょう。
 
お金への不安が消えないのであれば、「自分はお金に関してどの点を不安に思っているのか」「貯金以外でお金への不安を和らげる方法はあるか」というように不安を可視化して向き合うことが重要です。
 
また、老後の生活で必要なお金がいくらか分かっていないと「貯蓄過多」になってしまいます。本来使えるはずのお金が貯蓄に回っているため、日々の生活で充実感が得られません。
 
老後生活で必要なお金は人によって変わります。「自分に必要な最低貯金額」を知っておくと、貯金目標が明確になります。
 

お金は貯めるだけではなく「どう使うか」も考えて

お金は貯めるだけでは意味がありません。貯めたお金を「どのように使うか」を考え使うことで、はじめて本来の価値を発揮できます。
 
お金を貯めたまま亡くなると、当然自分はお金を使えません。遺産額が多い場合は、遺された家族に相続税がかかる可能性もあります。せっかく自分の生涯をかけて貯めたお金が、使われることなくいくらかが税金として引かれてしまうのは、あまりにももったいないことです。
 
「家族との旅行」や「家族へのプレゼント」「趣味のためのお金」のようにお金をどう使いたいか決めておけば、用途に合わせて必要な額を貯金できます。
 

満足いく資産づくりには「貯金計画の再考」が重要

順調に貯金できていても不安が消えない場合は、貯金計画を見直すことをおすすめします。現時点で貯まっている金額や将来必要な金額を把握したうえで、毎月の貯金額や集中的に貯金する期間を適切に設定しましょう。
 
例えば、40代で2000万円の貯金ができたとします。「老後は毎月余裕を持って生活したい」という人は、引き続き給料の一部を積極的に貯金へ回しましょう。「月20万円あれば老後も余裕を持って暮らせる」「余暇を楽しみたいので月30万円あるとよい」というように将来の生活費をあらかじめ想定しておくと、貯金のゴールが見えやすくなります。
 
一方「保険や私的年金などほかの制度も使って老後に備えている」「将来の必要額を見積もってみたら、意外と現時点での資産で足りそうだ」という人は、貯金に回すお金を少し減らし、浮いたお金で老後にはできないようなアクティビティや今しか食べられないグルメを楽しむのもよいでしょう。
 
ただし、不慮の事故や突発的なトラブルなどでの急な出費にも備えられるよう、貯金自体はストップせず、ペースを落としながら余裕を持って続けるのがおすすめです。
 

お金を貯めるのは豊かな生活を実現する「手段」の1つ

貯金は、老後への備えをつくることや豊かな生活を実現するための「手段」の1つです。お金を貯めることが目的となってしまうと、永久にゴールが見えません。貯金が義務的作業となってしまい、どれだけ貯まっていても満足感を得られない可能性もあります。
 
継続して貯金し、主体的に資産づくりができるのは素晴らしいことです。しかし、長く続けていると目的や将来像を見失うことがあります。不安や焦燥感に駆られながら「貯金のための生活」をしていては、生活の質が上がりません。将来の楽しい生活を想像しながら、目的を持ってお金を貯めるのが重要といえるでしょう。
 

出典

知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和5年調査結果
知るぽると 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和5年調査結果
総務省統計局 3.経済 デフレの時代から景気回復へ
国立社会保障・人口問題研究所 令和 3(2021)年度 社会保障費用統計の概要
 
執筆者:石上ユウキ
FP2級、AFP

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