更新日: 2024.06.04 働き方
円満に辞めたかったのですが引き止められて困っています。「退職代行」を利用したらまずいですか?
本記事では、退職代行サービスのメリットとデメリット、スムーズに退職するために必要なことや、引き止められることで受ける影響や退職代行が与える職歴への影響についても解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
退職代行サービスとは?
退職代行サービスとは、働く本人に代わって退職を代行してくれる業者や、弁護士を通じて退職を会社に申し出るサービスです。業者などにお金を支払ってでも退職したい意思を代わりに伝えてもらうことで、会社からの引き止めなどによるストレスや疲れを感じることなく退職することが可能です。
エン・ジャパン株式会社(東京都新宿区)が実施した「退職代行」実態調査(調査期間:2023年8月29日~9月26日、有効回答数:7749名)によると、退職代行サービスを知っていると答えた人は72%にのぼり、認知度は非常に高いことが分かりました。特に、20~30代の認知度は高いようです。
しかし、実際にサービスを利用したことのある人は全年代で2%と、ほとんどの人が利用した経験がないと答えています。ちなみに、サービスを利用しない理由では「退職の意思は自分で伝えるもの」と考えている人が多いことも分かりました。
退職代行サービスのメリットとデメリット
退職を言いだしにくかったり、トラブルを避けたりするために役に立つ退職代行サービスですが、メリットとデメリットはどのようなことがあるのでしょうか。退職代行サービスには、以下のようなメリットがあります。
・退職届をスムーズに受理してもらえる
・自分で退職を言いださなくてよいので、退職に対する心理的なハードルが下がる
・会社に出向かなくてよいため、上司に会わなくて済む
特に、会社に退職の意思を伝えても受理してもらえずに悩んでいる場合や、上司や先輩からのパワハラを受けている場合など、職場環境に悩んでいる人は大きなメリットを感じられるようです。
退職代行を利用することで、手続きなどで本人が会社に出向く必要がなく、ストレスを感じる機会を減らせることが大きなメリットといえるでしょう。
一方で、退職代行サービスには以下のデメリットがあります。
・退職のためにお金がかかる
・上司や先輩との関係が悪くなる
・希望どおりの条件で退職できないケースがある
・悪質業者が存在する
普通は、会社に退職の意思を伝えるだけであれば、お金はかかりません。しかし、退職代行サービスの利用や、弁護士へ相談することになると、手続きのためにお金を支払わなければなりません。
また、退職代行サービスの利用で本人が会社に出向くことがないことで上司や先輩と良好な関係を継続するのは難しくなります。さらに、有休を消化できないなど希望どおりの退職ができない場合があることも頭に入れておきましょう。
なお、退職代行サービス業は悪質な業者も存在します。退職がうまくできなかったときの返金をしてもらえないなどトラブルになる可能性があるので、業者を決めるときには注意が必要です。退職代行サービス業の利用するときは、弁護士資格を持っているか確認して、よく調べてから依頼しましょう。
スムーズに退職するためには
円満退職でなくても、会社に意思を伝えてスムーズに退職するためには、普段から職場の人間関係をしっかりと築き、上司との関わりを深めておく必要があります。
もし、退職しなければならなくなったときには、誠意を持って前向きな気持ちで退職の意思を伝えることが大切です。自分の気持ちを伝えやすい環境を作っておくことで、退職を代行してもらわなくてもお互いが嫌な気持ちにならず退職を受理してもらうことはできるでしょう。
しかし、すぐに退職したいという意思を会社に伝えても、後任者への引き継ぎをしてほしい会社を困らせてしまいます。退職の意思が固まったら、スムーズに退職するためにも、なるべく早く会社に気持ちを伝えるようにしましょう。
退職代行サービスは職歴に影響はあるのか
退職代行サービスを利用して退職した後に転職したい場合、職歴に影響があるのかを気にする方は多いでしょうが、基本的に転職先への影響はありません。プライバシーの厳守や個人情報保護のため、前職調査などで本人の許可なく以前の職歴を確認できないことが理由です。
つまり、前職の退職時に情報管理を徹底していない悪質な業者に代行を依頼していないかぎり、次の転職先に影響を受けることはないでしょう。
円満に退職するためには誠意を持って対応することが大切
退職したくても、会社や状況によっては円満な退職が困難な場合もあります。特に、ブラック企業やハラスメントに遭ったなどの理由で退職が言いづらく、退職代行サービスを利用するケースもあるようです。
しかし、一般的な希望退職の場合は会社から引き止められたとしても、まずは退職理由をしっかりと伝えて誠意を持って対応することが大切です。早くから退職に関する相談や報告を行って、後任者の育成まで考えた行動を示せば、会社側からもきちんとした対応をしてもらえるでしょう。
出典
エン・ジャパン株式会社 7700人に聞いた「退職代行」実態調査 『エン転職』ユーザーアンケートー
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー