更新日: 2024.05.27 働き方
転職先で歓迎会を開いてもらいましたが、お酒に強くないので「ウーロン茶」を飲んでいました。上司に「男なのに酒も飲めないなんて」と言われましたが、これってアルハラですよね?
アルハラは、パワハラやセクハラほど世間に浸透している言葉ではないと考えられます。いまいちよく分からないという人もいるでしょう。
本記事ではアルハラの事例や危険性、アルハラを受けないための対策について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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アルハラとは
アルハラとは「アルコール・ハラスメント」の略で、飲み会など飲酒を伴う場面で行われる、飲酒に関連した迷惑行為や嫌がらせのことです。
アルハラについては、加害者が自身の行為や言動はハラスメントに当たるとの認識に欠けていることが少なくありません。加害者からすると、「お酒を飲むことでお互い普段言えないことを口にできている」「コミュニケーションを深めるためにお酒は必須だ」と考えることもあります。
アルハラが起こるのはお酒の場が多く、普段は自制がきくのに、酔っていて正常な判断ができなかったという場合もあるでしょう。
アルハラに該当する事例
ここまで紹介したように、加害者は意図しない形でアルハラをしている可能性があります。とはいえ、アルハラも他のハラスメントと同様に許されるものではありません。
それでは、具体的にどのような事例がアルハラに該当するのでしょうか。アルハラに当たる事例としては次のようなものがあります。
(1)用意したビールなどのアルコールを一気に飲むように強要する
(2)飲めない人をしつこく飲み会に誘い、断ると仕事上の嫌がらせをする
(3)酔ったうえで直接体に触れる、異性関係について無理やり聞く
(4)「お酒が飲めないとかっこ悪い」などと、お酒を飲まざるを得ない空気を作る
なお、(3)についてはアルハラだけなく、セクハラにも該当します。また、(4)についても、例えば「男のくせに~」などという言動や意図が含まれていると、こちらもセクハラにも該当します。
アルハラの危険性
アルハラはお酒を飲めない人が嫌な思いをするだけではありません。お酒を飲める人であっても一気飲みを強制され、大量のアルコールを接種すると、急性アルコール中毒になる恐れがあります。
急性アルコール中毒は、最悪の場合には命を落とす可能性もある、非常に危険なものです。
また、アルハラを受けることで、その後お酒が飲めなくなったり、職場にいづらくなったりという精神的・肉体的苦痛を負わされることもあります。
アルハラ防止のために会社が講じるべき措置
アルハラを防止するためには、所属する会社としてもアルコールに関するルール作りや社内教育、相談窓口の設置などが求められます。
厚生労働省では、会社はパワハラの防止のために次の措置を講ずべきとしています。
・事業主の方針などの明確化およびその周知・啓発
・相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
・職場におけるパワハラに係る事後の迅速かつ適切な措置
アルハラに対しても、パワハラと同様にこのような対策を講じることが大切です。とはいえ、中には対策が進んでいない会社もあるかもしれません。個人としてアルハラを受けないための対策を紹介します。
アルハラを受けないための個人としての対策
まずは、そもそもお酒の席に出ないことが一番です。飲み会に参加しなくても普段から周りとコミュニケーションをとっていれば、十分に信頼関係を築けます。日ごろからお酒は飲めない、または飲みの席が苦手なので参加はしたくない旨を伝えておけば、大抵の職場では理解してくれるはずです。
また、お酒の席に参加せざるを得ない場合、アルコールを勧められてもきっぱりと断る勇気も大切です。その際にはできるだけ角が立たないよう、「体質的にお酒が飲めない」「このあと車を運転しなければならない」など、やむを得ない理由を準備しましょう。
少し飲んだうえで、これ以上は飲みたくない場合は、「お酒に弱いのでこれ以上は飲めない」とはっきり言うことをおすすめします。言いづらいのであれば、飲んでいるふりをするのも手段の1つです。ウーロン茶をウーロンハイのふりをして飲んだり、極限までお酒の度数を低くしたりしましょう。
まとめ
アルハラは命の危険にもつながるハラスメントです。もしもアルハラを受けた場合には会社の専門窓口や人事部門に相談しましょう。
また、本記事で紹介したような対策をとってもアルハラが止まらず、会社に相談してもらちが明かない場合、転職することも1つの手段です。アルハラについては毅然(きぜん)とした態度で対応し、被害を受けないようにしましょう。
※ 2024/5/27 記事を一部、修正いたしました。
出典
厚生労働省 職場におけるハラスメント防止対策が強化されました!
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー