更新日: 2024.05.27 働き方
上司が帰るまで、毎日なんとなく「サービス残業」しています。30分ですが「残業代」を請求したら支払われるでしょうか? 定時で帰りにくいです…
本記事では、30分の残業に対する残業代が請求できるのかを解説し、定時で帰りやすくするためのポイントをお伝えします。
30分でも残業代は支払われる
30分程度のサービス残業でも、法的には残業代の支払い対象となります。
労働基準法で定められた割増賃金の規定により、所定労働時間を超えて従業員に時間外労働をさせた場合、使用者は割増賃金を支払わなければなりません。1時間につき25%以上の割増賃金を支払うよう定められています。
つまり、1日30分間の残業であれば、通常の賃金に0.5時間分の25%を加えた金額が加算されるべきなのです。通常の賃金が1時間2000円であれば30分の残業代は2000÷2×1.25=1250円となり、1ヶ月20日の労働とすると、2万5000円になります。
ただし、なんとなく、だらだらと過ごしているだけで、業務をしていない場合は支払いがされない可能性がありますので注意が必要です。
定時で帰りづらい理由
Job総研が実施した「2023年 残業に関する実態調査」の結果によると約40%の人が「定時に終業していない」と回答しています。その理由として、「定時に上がれない雰囲気がある」という回答が21.5%もありました。
定時に上がれない雰囲気には、主に次の要因が考えられるでしょう。
・上司の目が気になる
上司が残業していると「まだ仕事が終わっていない」と感じ、勝手に帰りづらく、同調して残業してしまうこともあるでしょう。
・同僚への気兼ね
周囲の同僚が残業していれば、自分だけ先に帰るのは気が引けると感じがちです。集団の中で浮かないよう、無意識に残業してしまうのかもしれません。
・定時で帰ると評価が悪くなるという不安
「定時で帰る=やる気がない」と上司や会社に判断されるのではないか、そんな不安から早く帰れなくなってしまうこともあるでしょう。仕事ぶりを評価してもらいたいという思いが、定時退社を難しくさせているのかもしれません。
定時で帰るためのポイント
気兼ねなく定時で帰るためのポイントを3つ紹介します。
・明確な上限を設ける
・周りを気にしない
・上司や同僚と良い人間関係を築いておく
残業の上限を自ら設定し、それを上司や同僚に事前に伝えておくことが重要です。例えば「週2日は残業しない」など、明確なルールを決めておきましょう。そうすれば、周りの理解も得やすくなります。
上司や同僚が残業していても、気にしすぎず自分のペースを大切にする強い意志が必要不可欠です。日中に効率よく仕事をこなしていれば周りを気にすることなく定時に帰宅できるはずです。
日頃から社内で良好なコミュニケーションを深め、お互いを思いやる関係性を築いておくことが重要です。協調性を持って普段から仕事をしていれば、定時に帰ることへの理解も得られやすいでしょう。
まとめ
30分程度の残業であっても、きちんと業務に従事していれば、残業代を請求する権利があります。また、定時で帰りづらいと感じる人もおり、その主な理由には社内の帰りづらい雰囲気があるようです。
周りを気にしすぎず、普段から良好な人間関係を築いておけば、帰りづらさは軽減できるでしょう。定時に帰ることは悪いことではありません。働き方改革により帰りやすい環境は今後も整っていくことが期待できるでしょう。
出典
東京労働局 しっかりマスター労働基準法- 割増賃金編-
Job総研 「2023年 残業に関する実態調査」を実施しました
執筆者:渡邉志帆
FP2級