更新日: 2024.04.16 働き方
50代の専業主婦です。会社員の夫の「扶養に入れる年齢」には上限があるのでしょうか?
また年金の場合、自分で年金保険料を支払う期間が発生する可能性もゼロではありません。
今回は、会社員の夫の扶養に入っている専業主婦の方を例として、扶養に年齢上限があるのかや、妻自身に年金保険料の支払いが発生するケースなどについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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扶養に入れるのは何歳まで?
扶養に入れる年齢そのものには、年齢制限はありません。また、扶養控除は扶養親族のうち該当する年の12月31日時点で16歳以上の方が対象です。そのため、扶養控除の申請に年齢上限は設けられていません。
ただし、健康保険と年金に関しては年齢上限が発生するため、注意が必要です。
健康保険の年齢上限
会社勤めで加入している健康保険は、最大でも75歳までの方を対象としているので、75歳以上になると被保険者ではなくなることになります。75歳以上になると自動で後期高齢者医療制度へと移行するためです。扶養されている方も75歳になると後期高齢者医療制度の対象になるので、扶養から外れます。
さらに気を付けたい点が、妻より年上で年齢差のある夫が75歳になった場合です。75歳になると夫が会社の健康保険の被保険者でなくなるため、夫に扶養されている妻も必然的に健康保険から抜けることになります。夫の会社の健康保険の被保険者でなくなった場合は、新たに国民健康保険などへの加入が必要です。
国民健康保険の申請には、以前の健康保険の資格喪失証明書が必要となるため、忘れずに準備しておきましょう。
年金の年齢上限
国民年金においては、60歳になると扶養ではなくなります。会社勤めの夫の扶養に入っている場合、専業主婦の方は国民年金の第3号被保険者に分類され、条件が「20歳以上60歳未満の方で厚生年金保険または共済組合に加入している第2号被保険者に扶養されている人」と決められているためです。
また、妻が60歳になっていなくても、夫が65歳になった場合は国民年金の第3号被保険者でなくなります。第3号被保険者を扶養している第2号被保険者の条件が、「65歳未満もしくは65歳~70歳未満で老齢基礎年金の受給資格を有していない方」であるためです。
妻が年金保険料を自分で払わないといけなくなるケースとは
先述したように、夫が先に65歳になり老齢基礎年金の受給資格を有していると、国民年金において扶養されている状態の第3号被保険者の条件を満たさなくなります。この場合、妻は自分で第1号被保険者へ変更する手続きが必要です。
第1号被保険者とは20歳以上60歳未満の自営業者や農業者、学生および無職の方と、その配偶者の方で厚生年金保険や共済組合などの加入者ではなく第3号被保険者に該当しない方をいいます。第1号被保険者は自分で年金保険料を支払わなければなりません。
例えば、夫が65歳になった時点で妻が55歳だった場合は、妻が第1号被保険者へと変わり5年間は自分で年金保険料を納めることになります。
健康保険や年金は年齢上限を超えると扶養から外れる
扶養親族になること自体に年齢上限はありませんが、健康保険や年金に扶養として入れるのは年齢上限があるため、注意しましょう。
健康保険は夫が会社の健康保険に加入している限り扶養されますが、後期高齢者医療制度に該当する75歳以上になれば健康保険の被保険者ではなくなります。また、年金も夫が65歳以上になり老齢基礎年金の受給資格を有すると、扶養から外れるため年金保険料は自分で納付が必要となる場合があります。
手続きが必要なケースもあるので、夫が年上の場合などはしっかりチェックしておきましょう。
出典
国税庁 No.1180 扶養控除
全国健康保険協会ホームページ
日本年金機構 3号被保険者の「配偶者が65歳になったとき」の手続き
日本年金機構 年金Q&A(国民年金の加入) 国民年金の「第1号被保険者」、「第3号被保険者」とは何ですか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー