更新日: 2024.03.18 その他家計
「お薬手帳」持参で薬代の節約に!? 実際、どのくらい安くなるの?
今回は、お薬手帳の特徴やお薬手帳を薬局に持参すると、薬の料金がどの程度安くなるのかについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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お薬手帳とは?
お薬手帳とは、自分のこれまでの薬の処方記録が記されている手帳のことです。
薬を服用している記録を残しておけば、複数の医療機関を受診する際や引っ越しをした際、薬局で薬を購入する際にも活用できます。また、地震や洪水などの自然災害の際にも、お薬手帳があると診察にかかる時間が短縮され、スムーズに適切な医療を受けられます。
最近は、スマートフォンのアプリで管理できる電子版のお薬手帳も存在するため、お薬手帳の持ち歩きが面倒な方は、電子版を活用するとよいでしょう。
お薬手帳を持参すると安くなるの?
お薬手帳を持参すると、薬局で薬を処方してもらうときに薬の料金が安くなる場合があります。
薬局で支払う会計は、厚生労働省が定めている「調剤報酬点数」と呼ばれるもので料金が決定されます。調剤報酬点数は1点=10円となっており、点数が高ければ高いほど料金も高くなる仕組みです。
調剤報酬点数は、「調剤技術料」+「薬学管理料」+「薬剤料」+「特定保険医療材料料」の4つから構成されています。この中の薬学管理料は「調剤管理料」と「服薬管理指導料」からなり、服薬管理指導料がお薬手帳を持参すると割引になります。
お薬手帳を持参するとどれくらい安くなるの?
お薬手帳を薬局に持参すると、1回あたり数百円程度安く購入できます。お薬手帳を持参した場合としなかった場合の、服薬管理指導料の点数は表1の通りです。
表1
施設基準 | 手帳持参の場合 | 手帳なしの場合 |
---|---|---|
薬局 | 45点 | 59点 |
オンライン | 45点 | 59点 |
※公益社団法人日本薬剤師会 調剤報酬点数表(令和5年4月1日施行)を基に筆者作成
お薬手帳を持参した場合は、590円(59点×10円)-450円(45点×10点)=140円安くなります。
ただし、前回処方してもらった薬局で、3ヶ月以内にお薬手帳を持参する必要があります。そのため、3ヶ月以上あいてしまった場合や、違う薬局で処方する場合は、割引の対象外となるため、注意が必要です。
数百円程度の割引ですが、毎月薬を処方されている方は年に換算すると数千円程度の差が生まれてきます。長い目でみると数百円でも大きな差になるでしょう。
お薬手帳を持参すると薬代が安くなる
お薬手帳を薬局に持参した場合は、数百円程度の割引が受けられる場合があります。割引になる条件は、前回と同じ薬局かつ3ヶ月以内の再調剤となっているため、薬代を少しでも節約するのであれば、かかりつけの薬局や薬剤師を探すとよいでしょう。
かかりつけの薬局や薬剤師を見つけることで、料金が安くなるだけでなく、以下のようなメリットもあります。
・新しい薬を処方してもらう際に、副作用のおそれがあるかチェックしてもらえる
・薬の重複や複数の薬の飲み合わせをチェックしてもらえる
・薬局があいていない時間でも薬の相談ができる
・外出が難しい場合は在宅医療のサポートもしてもらえる
自宅や職場の近くなど、通いやすい範囲でかかりつけ薬局を決めて活用しましょう。
出典
公益社団法人日本薬剤師会 調剤報酬点数表(令和5年4月1日施行)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー