更新日: 2024.03.16 働き方
トラック運転手をしています。令和6年4月から労働環境の基準が改正されると聞きましたが、どのような影響があるのでしょうか?
そこでこの記事では、改善基準告示の内容を簡単にご紹介したうえで、トラック運転手にはどのような影響があるのかを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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トラック運転手の労働条件が変わります!
2024年4月より「自動車運転者の労働時間などの改善のための基準(改善基準告示)」が改正されます。
改善基準告示は、トラックなどの自動車運転者の長時間労働を防ぐことを目的に、拘束時間の上限や休息期間、時間外労働の限度などを定めるものです。2024年4月1から適用される、トラック運転手の場合の改善基準告示の具体的な内容の例は表1の通りです。
表1
改正前 | 改正後 | |
---|---|---|
拘束時間(始業から就業まで ※休憩時間を含む) |
1年:3516時間 1ヶ月:293時間(最大320時間) |
1年:3300時間(最大3400時間) 1ヶ月:284時間(最大310時間) |
1日の休息時間 | 継続8時間 | 継続11時間を基本とし、継続9時間 |
運転時間 | 2日平均1日:9時間 2週平均1週:44時間以内 |
2日平均1日:9時間 2週平均1週:44時間以内 |
連続運転時間 | 4時間以内 | 原則4時間以内(やむを得ない場合は 30分まで延長可) |
1年間の時間外労働の上限 | なし | 960時間 |
※厚生労働省「トラック運転者の改善基準告示が改正されます!」
※兵庫労働局 神戸西労働基準監督署「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)の改正内容(トラック)について」
上記を基に筆者作成
主な変更点としては「拘束時間が短くなったこと」「休息期間が長くなったこと」「年間の時間外労働の上限規制が適用されたこと」の3点が挙げられます。
トラック運転手にはどのような影響がある?
今回の改善基準告示の改正により、トラック運転手は拘束時間が短くなったり、休息期間が長くなったりすることで、労働環境が改善される可能性があるでしょう。
ただその一方で、年間の時間外労働の上限規制ができたことで、収入が減少してしまうドライバーが発生することも考えられるでしょう。
実際、厚生労働省の資料によると、繁忙期ではない期間におけるトラック運転手の1日の時間外労働は「4〜7時間」が14.0%「7時間以上」が4.3%存在しています。
仮に1ヶ月の労働日数を20日、1日4時間の時間外労働を毎日すると、年間の時間外労働時間は960時間となってしまいます。
つまり、4時間以上時間外労働をしている18.3%の方は、4月からの年間の時間外労働の上限規制により、収入が下がってしまう可能性があるといえるでしょう。
ご自身の場合はどのような影響があるかを考慮し、今後の働き方を考えましょう
2024年4月より、改善基準告示が改正されるため、トラック運転手の労働環境が変わる可能性があります。
拘束時間が短くなったり、休息期間が長くなったりすることで、労働環境が改善される可能性がある一方、人によっては残業代の低下により収入が下がってしまうことも考えられます。ご自身の場合はどのような影響があるかを考慮し、今後の働き方・ライフプランを考えましょう。
出典
厚生労働省 トラック運転者の改善基準告示が改正されます!
兵庫労働局 神戸西労働基準監督署 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)の改正内容(トラック)について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー