更新日: 2024.03.11 貯金

【おひとりさまの老後資金】30代独身です。このまま生涯独身の場合、65歳までにいくら貯金があれば老後生活できますか?

【おひとりさまの老後資金】30代独身です。このまま生涯独身の場合、65歳までにいくら貯金があれば老後生活できますか?
結婚をせずに、老後をゆっくり過ごそうと考えている方もゼロではありません。ゆとりある老後を過ごすためには、ある程度の貯金が必要です。
 
老後の貯金額は、日本における老後の平均支出や平均収入が目安になります。また貯金以外にも、受け取れる年金額自体を増やす方法もおすすめです。
 
今回は、65歳以上の単身世帯の平均支出や、単身のままで過ごすならいくら貯金が必要かなどについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

65歳以上の平均支出はいくら?

総務省統計局の「家計調査報告」によると、65歳以上でひとり暮らしをしている方の平均支出は、消費支出が14万3139円、税金や社会保険料などの非消費支出が1万2356円で、合計15万5495円でした。
 
いっぽう、65歳以上でひとり暮らしをしている方の平均収入は13万4915円です。支出額と比べると、2万580円足りません。これらは月額の支出と収入ですので、年間に換算すると、24万6960円不足することになります。
 
仮に90歳まで生きるとすると、65歳から90歳の25年間で、新たに617万4000円が必要です。つまり、独身のまま老後を暮らしていくには、少なくとも約618万円以上の貯金をしておく必要があります。
 
さらに老後には、大きなけがをしたり、病気などを患ったりするリスクも少なくありません。医療費を考慮すると、さらに多くの貯金をしておくほうがよいでしょう。
 

618万円を貯金するには毎月いくらためたらいい?

もし、30歳から65歳の35年間で618万円を貯金したい場合は、年間で約17万6572円ためる必要があります。月額では、約1万4715円です。
 
計算の結果より、30歳から貯金を始めるならば、切りよく1万5000円を毎月貯金に回してみましょう。1万5000円を毎月貯金すると、35年後には630万円貯金できる計算です。目標金額分だけ貯金できていれば、退職金は、急にお金が必要となったときの費用として取っておけます。
 
また、老後に使えるお金を多くしたいならば、学生時代に猶予してもらった分の年金追納や、繰下げ受給で月に受け取れる年金額を増やすことも可能です。
 

年金の追納

国民年金は、20歳から納付義務が発生しますが、学生納付特例制度を利用すると、学生の間は年金の納付を猶予してもらえます。ただし、あくまでも猶予しているだけですので、学生期間分の年金は支払わない限り、老後に受け取れる金額には含まれません。
 
そこで利用できる制度が、追納制度です。10年前までの猶予や免除を受けた年金ならば、あとからでも支払えます。猶予された分を納めるため、追納しない場合よりも、受け取れる年金額が増える点がメリットです。
 

年金の繰下げ受給

繰下げ受給とは、年金の受け取り時期を遅らせることで、受け取れる年金額を増やせる制度です。1ヶ月遅らせるごとに、受給額が0.7%増加します。
 
もし65歳から70歳まで受け取り時期を遅らせると、42%増加した金額を受給することが可能になります。受け取りタイミングが遅くなっても構わず、年金額をなるべく多く受け取りたいという方に向いています。
 

老後の単身世帯は約618万円の貯金が必要

老後の平均支出と平均収入を比べると、年間24万6960円不足します。不足分を補うには、65歳までに約618万円の貯金が必要です。言い換えれば、約618万円の貯金ができていれば、退職金は、万が一のときの備えとして取っておけます。
 
さらに、年金の追納制度や繰下げ受給を利用すれば、年金の受給額自体も増加可能です。少しでも老後の資金にゆとりを持ちたい方は、制度の活用も検討してみましょう。
 

出典

総務省 家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要 図2 65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2022年-(18ページ)
日本年金機構
 国民年金保険料の追納制度

 年金の繰下げ受給
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集