更新日: 2024.02.22 働き方
採用時に「うちは元々時給が高いので、深夜の時間帯も時給は変わりません」と言われました。これはおかしい気がするのですが…
例えば、深夜の時間帯には割増賃金が支払われなければなりませんが「元々時給が高いので」という理由で、ほかの時間帯と同じ金額の時給になることは、問題はないのでしょうか。
本記事では、深夜労働に対して割増賃金が支払われないことの違法性について、ご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
深夜労働に対して割増賃金が支払われないことは違法なのか?
「1日8時間」「1週間40時間」を法定労働時間とし、これを超えて労働させる場合は、労使間で時間外労働協定(36協定)を締結したうえで、割増賃金が支払われる必要があります。
労働基準法によると、労働時間を延長して労働させた場合や、深夜時間に労働させた場合の賃金の割増率は「通常の労働時間に支払われる賃金の2割5分以上」とされています。
「深夜時間」とは、例外を除き「午後10時から午前5時」の間のことで、この時間帯の労働に対しては、残業かどうかに関係なく、割増賃金が支払われなければなりません。割増賃金は、労働の強度に対する労働者への補償として支払われるものであり、支払いは使用者の「義務」です。
たとえ会社と労働者との間で「割増賃金は支払わない」ということで合意していたとしても、労働基準法に定めがある以上、その申し合わせは無効になる可能性が高いでしょう。
深夜に残業した場合の賃金はどうなるのか?
「深夜時間」に該当する時間帯に残業した場合は、通常の深夜労働に対する割増賃金に加えて、法定時間外労働に対する割増賃金が発生します。
つまり「深夜労働に対する2割5分以上の割増賃金+時間外労働に対する2割5分以上の割増賃金=5割以上の割増賃金」が支払われなければなりません。
例えば、時給1200円の労働者が14時から24時までの9時間労働した場合、22時から23時までは「深夜労働」として2割5分増の1500円、23時から24時までは「深夜残業」として5割増の1800円が時給になります。
賃金において不当な扱いを受けた場合の相談先は?
深夜労働に対して割増賃金が支払われない場合は、労働基準法違反となる可能性が高いでしょう。
労働基準監督署に相談すれば行政指導の対象になり得るため、賃金において不当な扱いを受けた際の相談先として覚えておくことをおすすめします。また、未払い分の残業代を請求する場合は、弁護士に依頼するという方法もあります。
深夜の労働時間に対して割増賃金が支払われなければならない
午後10時から午前5時までの「深夜時間」に労働させた場合に、会社は労働者に2割5分以上の割増賃金を支払わなければならないことが、法律で定められています。
たとえ労使間の合意のもとで「割増賃金は支払わない」という条件になっていたとしても、割増賃金が支払われなかった場合は、労働基準法に違反していることになる可能性が高いでしょう。
しかるべき機関へ相談することも、検討する必要があります。自身の時給については、よく確認しておきましょう。
出典
厚生労働省
労働時間・休日
労働条件に関する総合情報サイト 確かめよう労働条件 Q&A 賃金
労働基準 よくある質問 アルバイトで18時から23時まで働いています。深夜は割増になるということを聞きました。どういう事でしょうか。
デジタル庁 e-GOV法令検索 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号) 第四章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇 第三十七条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー