更新日: 2024.02.20 働き方
普段「定時で帰っている」同僚に仕事を頼んだら断られましたが、「強制」はできるのでしょうか? 仕事がたまって困っています……。
本記事では、普段定時で帰っている同僚に仕事を頼んで断られた場合、残業を強制することはできるのかについて、解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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残業を強制できるのか?
労働基準法第三十二条によって、労働時間は「使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。」「使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。」と定められています。そのため、1日8時間、1週40時間を超えて従業員を働かせた場合、会社には刑事罰が科せられます。
ただし、厚生労働省によれば「36協定」を会社と労働組合(労働組合がない場合は従業員代表)が締結している場合は「月45時間、年間360時間まで」の時間外労働であれば、可能になるとしています。
さらに、予見することのできないほどの業務量の大幅な増加があった場合、休日労働を含む時間外労働は100時間未満であれば可能です。ただし、2~6ヶ月の平均で80時間以内でなければなりません。また、設定できるのは年6回までです。
36協定に違反している場合、従業員は残業を断れます。36協定に違反していなくても、正当な理由があれば、従業員は残業を断ってもまったく問題ありません。正当な理由としては「体調不良である」「介護や育児を行うため、残業をすると都合が悪い」といったことが挙げられます。
これらのことを踏まえると、36協定が締結されていない場合、同僚は残業を断っても問題ありません。例え36協定を締結していても、同僚に残業を断る正当な理由があれば、強制することはできないのです。業務が多くて自分の仕事が回らないようであれば、上司に相談してみてはどうでしょうか。ただし、自分の業務量が適切である場合、同僚に仕事を回すのは難しい可能性があります。
ちなみに、残業をした場合は、会社側は残業代を支払わなくてはなりません。
月60時間以下の時間外労働の場合、25%以上の割り増しになります。さらに、月60時間を超えた時間外労働の場合、50%以上の割り増しです。このほか、22時~翌朝5時の時間帯の深夜労働の場合、25%以上の割り増し、休日労働の場合、35%以上の割り増しになります。
気をつけたいのは、就業規則によって定めた会社の労働時間と法律で決められた労働時間は違うということです。
例えば、会社が定めた労働時間が7時間とします。この場合、8時間働いたとしても、法律で定められた「1日8時間」を超えてはいません。そのため、1時間残業をしたとしても、割増賃金にはなりません。通常の賃金が1時間分支払われるだけです。
同僚に残業を断る正当な理由があれば強制はできない
労働時間は「原則1日8時間、1週40時間まで」と労働基準法によって定められています。そのため、36協定が締結されていない場合、同僚は残業を断っても問題ありません。例え36協定を締結していても、同僚に残業を断る正当な理由があれば、強制することはできないのです。業務が多くて自分の仕事が回らないようであれば、上司に相談するようにしましょう。
出典
e-Gov 法令検索 昭和二十二年法律第四十九号 労働基準法 第三十二条
厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署 時間外労働の上限規制 わかりやすい解説
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー