更新日: 2024.02.18 働き方
体調不良で欠勤。翌日「有休」を申請したのですが、会社に「事後の申請は認めない」と言われました。これって普通なんですか? 諦めるしかないのでしょうか…?
この場合は欠勤扱いになりますが、有給休暇の日数が残っていれば欠勤扱いにならずに済むので利用しようとしたところ、事後の有給申請は認められていない、と会社に拒否された際は従うしかないのでしょうか?
本記事では、有給休暇の事後申請が認められるのかについて解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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有給休暇の仕組み
年次有給休暇は労働者に認められる休暇で、一定期間労働した場合に付与されます。その名のとおり有給で休むことができ、心身の疲労を回復するために重要な権利です。雇い入れの日から6ヶ月経過していて、なおかつその期間の全労働日の8割以上出勤した場合に付与されます。
有給休暇は正規雇用者だけでなく、パートやアルバイトも取得可能です。労働者は付与された有給休暇を申請することで休暇を得る仕組みになっています。使用者(会社側)は労働者から有給休暇の申請を受けた場合、申請した時季に有給休暇を与えることが原則です。労働者に配慮して有給を与えることになります。
もっとも、使用者が有給休暇の申請を他の時期に変更できる場合もあります。使用者が労働者の希望した時季に休まれてしまうと事業の正常な運営を妨げる場合、労働者が希望した日にちとは異なった時季に有給休暇を付与することが可能です。これを時季変更権といいます。
有給の事後申請は原則として認められていない
原則として、「有給休暇の事後申請」は認められていません。
これは、時季変更権が大きく関わっています。使用者は労働者の希望に配慮して有給を与えますが、そのためには代行者の選定や勤務予定の変更など、さまざまな事柄を決めなければいけません。正常な運営ができない場合は時季変更権を行使し、労働者に異なる日にちに有給を与えることも考えることになります。
そのため、使用者の配慮や時季変更権の考慮の時間を与えるためにも、原則として有給は事前の申請が必要になっています。
有給を事後申請したい場合はどうしたらいい?
有給の事後申請は原則として認められていませんが、使用者によって認められる場合があります。「労働者と使用者の双方が有給休暇の利用に合意した場合」は有給の事後申請も可能です。
まずは就業規則や雇用契約書を確認することや、事務担当に有給の事後申請が可能か確認することをおすすめします。職場や上司によっては就業規則や雇用契約書で認められていなくても、労働者に配慮して有給が認められることもあるでしょう。普段から有給や働き方について話し合っておくことも重要といえます。
有給休暇を取りやすい会社の風土も重要
有給の事後申請は原則として認められていないので、事後申請を会社から拒否された場合はこれに従うことになります。体調不良といった急な事態で休んだ場合は欠勤扱いになるでしょう。
もっとも、就業規則や雇用契約書によっては有給の事後申請が認められている場合や会社や上司によっては問題なく有給が与えられる場合もあります。有給休暇を取りやすい会社の風土も重要です。有給や働き方について話し合える職場づくりを目指しましょう。
出典
厚生労働省 年次有給休暇とはどのような制度ですか。パートタイム労働者でも有給があると聞きましたが、本当ですか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー