更新日: 2024.02.02 働き方
【現物支給ってあり?】給料の一部を会社の「商品」で支払われることがあります。喜んでいる人もいますが、私は現金で受け取りたいです…。
本記事では、労働基準法で定められている給与の支払い方法や、労働協約におけるルールについて詳しくご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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給料の支払い方法に関するルールとは?
労働基準法第二十四条では「賃金は、通貨で支払わなければならない」と定められています。通貨とは「日本の貨幣」のことですので「外貨や商品券・金券などでの支払いは認められない」と解釈できるでしょう。
そのほかにも「労働者に直接支払うこと」「全額支払うこと」「毎月1回以上、期日を決めて支払うこと」という定めがあります。代理人への支払いや、控除が認められている名目以外の天引き、年一括払い、曜日で支払い日を決めることなどは違反になるため、注意が必要です。
ただし、労働協約に特別な定めがある場合などは、通貨以外に物での支払い、つまり現物での支給が認められるケースもあります。
現物給与の対象となるものとは?
国税庁によると、次のような方法によって得られる経済的利益を現物給与とすることがあります。
●商品を無償または低い価額で譲渡する
●土地や家屋、金銭などの資産を無償または低い対価により貸し付ける
●福利厚生施設などの利用を、無償または低い対価により提供する
●個人的債務を免除または負担する
例えば、自社製品を値引き価格で販売したり、社宅を割安で提供したりすることで、現物給与としている会社もあるようです。
これらの経済的利益は通貨に換算され、給与所得の収入金額とされます。ただし、換金性に欠けるものや、受給者に選択の余地がないものなど、例外的な取り扱いが定められているものもあるため、注意が必要です。
労働協約を確認しておこう
給料は原則として現金で支払われなければなりませんが、労働協約に別段の定めがある場合に、例外として現物支給が認められます。
労働協約は会社と労働組合が合意して取り決めるものですので、労働組合がない会社は、労働協約を締結できません。つまり、労働組合がない会社では、給料の現物支給はできないということになります。
まずは、自分が働いている会社に労働組合があるのかということと、ある場合は労働協約を締結しているのかを確認してみるとよいでしょう。
給料の現物支給は労働協約に「別段の定め」がある場合に認められる
「給料の一部が会社の商品で現物支給される」という会社もあるようです。労働基準法では「給料は現金での支払いが原則」とされていますが、労働協約で定められている場合は、現物支給が認められることもあります。
現金での支給を希望される人にとっては複雑なことだと思いますが、まずは労働協約をチェックして、どのような定めになっているのかを確認してみるとよいでしょう。
出典
デジタル庁e-Gov法令検索 労働基準法(賃金の支払)第二十四条
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.2508 給与所得となるもの
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー