更新日: 2024.01.29 貯金
父がタンス預金を「1000万円」していたようです。危ないので銀行に移させたいのですが、「大金だから税金がかかる」と拒否されます…税金はいくら支払うのでしょうか?
本記事ではタンス預金を銀行口座に預けた場合、税務署などから申告を受ける可能性や税金を支払う必要はあるのかについて解説します。
タンス預金とは
「タンス預金」とは、一般的に現金を自宅に保管することを指します。昔は銀行ではなく自宅のタンスに現金を保管する家庭も多かったため、タンス預金と呼ばれるようになったといわれています。
タンス預金と聞くと「資産隠し」のようなネガティブな印象を抱く人もいるかもしれません。しかし、自宅で現金を保管すること自体は決して悪いことではありません。
タンス預金は盗難や紛失・消失のリスクはあるものの、自分の手元に置いておくほうが安心だという人や貯蓄している実感が得やすいという人もいるでしょう。
大金を預けるときに税金の支払いは必要?
1000万円という大金を銀行口座に預けるとなると、「銀行や税務署から何か指摘されて、税金を支払わなければいけないのでは?」と感じるかもしれません。
国税庁と各税務署は「国税総合管理(KSK)システム」というネットワークでつながっており、国民一人ひとりの所得や資産状況を把握できるようになっています。そのため、突然大金が入金されると、不自然なお金の流れがあったとして税務署の調査が入ることがあります。
タンス預金のお金を得た経緯によって、税金を納める必要があるかどうかは異なります。どのような経緯で得たお金なのかをしっかりと把握しておくことが大切です。
税金の申告が「不要」
会社に勤めている人が給与の手取り額をタンス預金していた場合は、銀行口座に預けるときに税金の申告は不要です。会社側が所得税を源泉徴収しており、必要な税金を納めているからです。
自営業の場合であっても、きちんと確定申告を行った後の所得であれば再度税金を納める必要はありません。また、宝くじで得た当選金は非課税扱いのため、こちらも申告は必要ありません。
税金の申告が「必要」
タンス預金で得たお金が「未申告」である場合は注意が必要です。
例えば親や他人から贈与や相続で受け取った一定額以上のお金を申告せずにタンス預金している場合は、そもそも銀行口座に移す・移さないにかかわらず、きちんと申告して必要な税金を納めなければなりません。
タンス預金は入手経路をはっきりさせておこう
給与としてもらったお金やきちんと確定申告をしたお金、宝くじで自分が得たお金であれば、タンス預金がいくら多額であっても、銀行口座に移したときに税金を納める必要はありません。
一方で、タンス預金が未申告かつ一定額以上のお金であれば、銀行口座に移す・移さないにかかわらず、きちんと申告する必要があります。
いずれにしても突然大金を動かした場合、税務署から確認される可能性はあります。現金の入手経路をきちんと説明できるように、タンス預金をするときは内訳がわかるように「いつ・だれから・いくらもらったのか」を小まめに記録しておくとよいでしょう。
出典
国税庁 国税関係業務の業務・システム最適化計画
国税庁 No.6105 課税の対象
執筆者:山田麻耶
FP2級