更新日: 2024.01.18 働き方

会社の会議で遅くなったのに「仕事じゃないから」と残業になっていませんでした。定時を過ぎた分は「泣き寝入り」するしかありませんか…?

会社の会議で遅くなったのに「仕事じゃないから」と残業になっていませんでした。定時を過ぎた分は「泣き寝入り」するしかありませんか…?
会議が長引き、残業になってしまった経験がある人も多いと思います。この場合は残業代が支払われるように思われますが、「会議は労働ではないから」と残業が認められないことも考えられます。会議で定時時間を超えてしまった場合は残業として認められるのでしょうか?
 
そこで本記事では、「会議が長引いて定時時間を超えてしまった場合に残業代が支払われるのか」について解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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そもそも残業とは?

残業は所定の労働時間を超える労働のことです。労働時間には所定労働時間と法定労働時間の2種類があります。
 
「所定労働時間」は就業規則で決められた企業ごとの労働時間です。これに対して「法定労働時間」は法律で定められた労働時間で、1日8時間、1週間40時間となっています。
 
残業代は所定労働時間を超えた場合に支払われるものですので、法定労働時間を超えていなくても所定労働時間を超えた場合は残業とみなされます。また、法定労働時間を超えて労働した場合は残業代が割増賃金として支払われるようになっています。法定労働時間が1ヶ月で60時間未満までは25%、60時間を超えた場合は50%の割増率です。
 

労働時間に認められるのはどのような場合?

残業と認められるためには、労働時間が所定の労働時間を超えている必要があります。そのためには労働時間がどのようなものなのかを知ることが必要です。
 
労働時間は、使用者(企業側)の指揮命令下に置かれている時間のことを指します。指揮命令下に置かれているか否かについては、使用者の指示で労働に従事することで判断可能です。この際の使用者の指示については明示である必要はなく、黙示の指示でも労働時間として認められる場合があります。
 
例えば、明示の指示が無くても、定時時間内までに終わらない仕事量を任された場合などです。この場合は仕事を終わらせるためには定時時間を超えてしまうことが明白なので、黙示の指示があったとみなされる可能性があります。
 

会議が長引いた場合でも定時時間を超えると残業となる

定時時間内で終わるはずの会議が長引いた場合は、残業と認められる可能性が高いです。参加が義務付けられている会議は、使用者の指揮命令下にあると考えられます。そのため、定時時間を超えた会議の時間については残業となり、残業代が支払われます。
 
もっとも、参加が強制でない会議の場合は、使用者の指揮命令下とはいえないので残業と認められない可能性があります。まずは、会議が強制なのかを確認してみてください。
 

自身の働き方や勤務先の就業規則についても確認してみましょう

本記事では、会議が長引いて定時時間を超えてしまった場合に残業代が支払われるのかについて解説してきました。残業は所定労働時間もしくは法定労働時間を超えて労働をした場合を指します。
 
会議が残業とみなされるかについては、労働時間に該当するかが重要です。使用者の指揮命令下にあるか否かで労働時間に該当するか決まります。つまり、参加が義務付けられているような会議であれば、定時時間を超えた部分について残業となる可能性が高いです。
 
働き方改革によって法定労働時間の見直しや残業代の割増率についての変更がなされています。自身の働き方や勤務先の就業規則についても確認し、無理のない働き方を考えてみてください。
 

出典

東京労働局 しっかりマスター労働基準法 割増賃金編
厚生労働省 労働時間の考え方:「研修・教育訓練」等の取扱い
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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