更新日: 2024.01.14 働き方
友人が「コンビニ」のオーナーになってから付き合いが悪いです。コンビニのオーナーは「ブラック」なんですか?
本記事では、コンビニオーナーとして働く人々の声をもとに、実際にブラックな現場が多いのかを分析していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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オーナーアンケートによる実際の声
経済産業省が実施した「第3回 新たなコンビニのあり方検討会」をもとに、コンビニオーナーの実際の声を紹介します。フランチャイズのオーナーは、本部にチャージ(手数料)を支払う必要があるため、利益が減少して、人手不足や過重労働などに陥りやすいことが考えられるでしょう。今後改善を図っていくためにも、現場のさまざまな意見を確認することが大切です。
コンビニの売り上げに対しての声
現在と5年前を比較したコンビニの売り上げや、今後の動向については、後ろ向きな意見が多いようです。「売り上げが減少している」という意見の具体的な原因には、人口減少やドラッグストアの24時間化、競合店の出店などが挙げられています。
また、売り上げが増加・維持しているとする回答はあるものの、「上がり幅が少しずつ減少している」「オープンから4年目までは前年を上回っていたが、5年目からは前年を下回るようになった」など、これまでよりも増加の割合が減ってしまっているという回答が多く見られました。
このような意見から、売り上げの減少により人件費の削減が行われて、人手不足を引き起こした結果、ブラックな働き方になってしまうと考えられます。
従業員の確保状況についての声
「自店舗で働く従業員を確保できているか」というアンケートでは、「労働力が不足している」という意見が、圧倒的に多く見受けられました。「従業員が常に不足している」「夕方から深夜にかけて不足しやすい」「すぐに辞めてしまうスタッフが多い」などの具体的な意見も目立ちます。
人手が不足する原因には、「ほかのコンビニや競合店同士で、人材の取り合いが発生している」「最低賃金での募集が多いため、人が集まりにくい」「時給が高い大型商業施設に人材が流れている」などの回答が見られました。
コンビニは、複雑な業務が多い割に、時給を高く設定している店舗が少なく、多くが最低賃金での募集を行っています。そのため、時給のよい求人に人材が流れて、募集をかけても人が集まらないとか、入ってもすぐに辞めてしまうという状況が成り立っていると考えられるでしょう。
また、「オーナーの収入を削って時給をアップしている」という意見もあり、今後、最低時給が上がった場合の対応が懸念されます。
オーナーの勤務や休暇状況についての声
オーナー自身の働き方についてのアンケートでは、「深夜勤務は当たり前」「20年以上働いて、休暇は一度も取れていない」「発注のために休日でも稼働している」「人手不足で休みはない」などの意見が出ています。多くのオーナーが、休みなく過重労働を強いられている状況です。
その背景には、人手不足はもちろんですが、発注の負担が大きく関係しているようです。廃棄分はオーナーの負担となるため、発注業務を人に任せることが難しく、発注と納品のタイミングで、オーナーが業務を行わなければならない状況にあります。また、深夜帯は人材が集まりにくく、アルバイトが確保できなければ、オーナーが業務に入らなくてはなりません。そのため、休みなく働き続けるオーナーも多いようです。
コンビニのオーナー業はブラックになりやすい
アンケートの回答結果から分かる通り、コンビニのオーナー業はさまざまな面で苦行を強いられており、ブラックになりやすいといえるでしょう。一番の課題は、人材の確保です。しかし、利益を確保しつつ人件費をねん出するためには、オーナーの収入を削ったり、最低賃金で募集をかけたりなど、どこかしらに負担がかかってしまうというのが現状です。
このような状況を抜け出すためにも、フランチャイズの仕組みそのものの見直しを図ることや、セルフレジ導入といった最新技術を用いて人件費を削減することなどが必要になるでしょう。
出典
経済産業省 第3回 新たなコンビニのあり方検討会 資料2-1 調査報告資料(オーナーアンケート)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー