更新日: 2024.01.07 働き方
激務が続いて「週休0日」で働いています。企業は法令違反に問われないのでしょうか?
本記事では、週休0日で働いている職場は労働基準法に違反するのかという疑問についてと、36協定の内容と上限を超えて働かせた場合の罰則、激務が続く仕事の共通点などについて紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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どんなに忙しくても休みがないのは労働基準法に違反する
激務が続いて休みが取れずに、週休0日の状態で働いている場合は、労働基準法に違反している可能性があります。労働基準法第35条によると、労働者は、4週間を通じて4日以上か、毎週少なくとも1日の休日を取る権利があります。そのため、週休0日の状態で働いている場合は、法令違反の可能性があるでしょう。
もし、そのようなブラック企業に勤務している場合は、労働基準監督署への相談をおすすめします。体調を崩す前に対処しましょう。
労働基準法をもとに作られた36協定の内容
労働基準法第32条では、労働時間は原則1日8時間、週40時間と定められています。これを超えて労働をさせる場合は、36協定の締結が必要です。
36協定締結による時間外労働の上限は、以下のとおりです。
●時間外労働は月45時間以内
●時間外労働は年360時間以内
上記の労働時間をさらに上回る場合は特別条項付きの36協定を締結する必要があります。こちらの時間外労働の上限は以下のとおりです。
●時間外労働は、年720時間以内
●時間外労働と休日労働の合計は、月100時間未満
●時間外労働と休日労働の合計について、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月の各平均が、全て1ヶ月当たり80時間以内
●時間外労働が月45時間を超えてよいのは、年6ヶ月が限度
これらの時間外労働時間の上限に違反した場合は、雇用主に対して、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
自分が働いている職場の労働時間が36協定の上限を超えている場合は、労働基準法に違反している可能性がありますので、労働基準監督署への相談をおすすめします。
仕事で激務が続く理由
多くの業界に共通して考えられる、激務の理由を紹介します。休みのないブラック企業を避けたい場合は、激務と呼ばれる業務の特徴を理解することが大切です。
業務の区切りがなく連続している
激務と呼ばれる業務の共通点は、業務の区切りがなく連続していることです。情報の入れ替わりが激しく、常に新しいものを追い求める必要がある業界は、継続してサービスを提供し続けますので、終わりがありません。ある程度の区切りはあっても、全体は連続した流れの中にあり、終わりがなく、いつまでも働き続ける必要があります。
あるクライアントから受けている依頼が完了する前に、次のクライアントから業務を依頼されて、どうにか終わっても新しい依頼が入っていて、常に納期が迫っていることが当たり前です。すると、同時進行で業務に取り組む必要があり、納期に間に合わせようとした結果、長時間労働が常態化してしまうのです。
サービスを販売する仕事である
サービス業は自分の働きが商品ですから、顧客に商品を提供するためには、自分が働き続ける必要があります。利益のためにより、多くのサービスを提供しようとすれば、全ての仕事を終わらせるためには、労働時間が長くなってしまうことは必然でしょう。
人手が不足している
忙しい、厳しい、業務量が多いなどの労働環境に問題がある場合には、離職者が多発します。そうすると人手不足により、一人当たりの業務負担がさらに大きくなってしまうことが容易に想像できます。激務により離職者が発生して、さらに激務が悪化するという悪循環に陥ってしまうのです。
自分が働きやすい環境で仕事をするためには、激務になりやすい業界かどうかとか、求人掲載の数や頻度はどうかなどの情報収集が必要です。
週休0日の勤務は労働基準法に違反している可能性がある
労働基準法は、労働者の働く環境や生活を守るためにあります。週休0日で働いている場合は、労働基準法に違反している可能性が高いので、労働基準監督署へ一度、相談してみましょう。また仕事で激務が続く業務には、いくつかの共通点があります。自分のペースで働きたい方は、それらの特徴を持つ業界への就職は避けたほうがよいでしょう。
出典
デジタル庁 e-Gov法令検索 労働基準法 第三十二条(労働時間)、第三十五条(休日)、第百十九条
厚生労働省 労働基準法第36条(時間外・休日労働協定)について
厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署 時間外労働の上限規制 わかりやすい解説 改正内容(時間外労働の上限規制)(4ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー