更新日: 2023.12.29 その他家計

「冬のボーナスが増えた」とニュースになっていましたが、私はたった40万円でした。これって少ないですか?

「冬のボーナスが増えた」とニュースになっていましたが、私はたった40万円でした。これって少ないですか?
公務員と多くの民間企業では、昨年度よりも多く冬のボーナスが支給されています。円安による収益増や脱コロナが進んでいる業界の企業に勤務している方は、ボーナス増の恩恵を受けられたのではないでしょうか。
 
しかしその一方で、前年度よりも業績が悪化している企業もあります。実際に、「昨年度よりもボーナスが下がった」という方もいるでしょう。本記事では、昨年度よりもボーナスが下がってしまった男性の悩みを紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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民間も公務員も冬のボーナスアップ! なのに自分は……

(株)帝国データバンクの調査によると、冬のボーナスが前年より増加する企業は24.1%でした。また、2年連続で冬のボーナスが増加する企業は10.3%となっています。
 
また、国家公務員に関しても、冬のボーナスは2年連続増加とさまざまなメディアで報じられています。脱コロナが進み経済が正常化するなかで、民間企業・公務員ともに冬のボーナスが増えている傾向が見て取れます。
 
しかし、決算賞与の企業に勤務するAさん(男性24歳)は、今年は業績不振だったこともありボーナスが昨年度よりも減ってしまったようです。
 
「今年の冬のボーナスは40万円でした。金額に不満を抱えているわけではありませんが、業績不振が理由で、昨年度よりも減ったことが気になります。もし来年度以降も業績が回復しなかったら、どんどんボーナスがカットされてしまうのではないかと心配です……」
 
違う会社に勤めている知人は、昨年よりもボーナスが増えたことを喜んでいました。Aさんは、自分の会社の経営状況や業績に懸念を感じ、転職活動を視野に入れているようです。
 
「このまま今の職場で仕事を続けても、業績不振に陥る不安から集中できるとは思えません。仕事に対するモチベーションも下がっているので、転職しようか考えています」
 
「しかし、安易に転職して、今よりも条件が悪い職場に移ってしまうと本末転倒ですよね。今はまだ転職エージェントに登録している段階ですが、どのように行動すればいいか悩んでいます」
 
Aさんのように、業績不振からボーナスが減ってしまうと将来に不安を感じてしまいます。将来への不安を払しょくするために、Aさんはどのように動けばいいでしょうか。
 

急いで転職するべきか

「周りにいる多くの人はボーナスが増えているなかで、自分は減っていた」というシチュエーションだと、いろいろと不満や不安を感じてしまうものです。そのようななかで、Aさんがまず行うべきことは「現状分析」です。Aさんの企業は決算賞与を支給しているとのことですが「一時的な業績不振なのか、業界そのものが斜陽なのか」を把握することが欠かせません。
 
一時的な業績不振で、今後回復する見込みがあるのであれば、転職を急ぐ必要はないでしょう。競合他社と比較して、自社の競争力や技術力が遜色ないのであれば、来年度はボーナス増となる可能性が期待できるためです。
 
一方で、自社の競争力や技術力が劣っている場合や業界そのものが斜陽産業の場合は、来年度以降もボーナス減となる可能性が高いでしょう。会社の決算書類や競合他社との差を客観的に分析して、自社の将来性を確認することが大切です。
 

健全な家計を構築するための意識

ボーナスの支給額に関係なく、普段の基本給で生活ができていれば何ら問題はありません。ボーナスがゼロになってしまう事態に備えるためにも、日ごろから下記のポイントを意識するとよいでしょう。
 

●天引きで着実に貯金をする:先取貯金を行い、残った収入で生活する
●収入を多角化する:副業収入や株式を購入して配当収入を得る
●支出を見直して生活コストを下げる:無駄遣いをあぶり出して不要な支出を削減する
●緊急時の資金を確保する: 緊急時に対処するための貯金を確保しておく
●いつでも転職できるスキルを習得する:資格取得やスキル磨きを通じて自分の市場価値を高める

 
基本給を天引きで先取貯金し、残った収入で生活する習慣を作れば自然と貯金は増えます。この習慣を継続できれば、ボーナスの有無に関係なく生活が破綻しません。
 
また、Aさんの冬のボーナスは40万円とのことですが、収入を多角化するためにも一部を資産運用に回すことを検討しましょう。せっかくのボーナスなので、将来のために資産運用へ回しつつ、一部を自分のために浪費することも有意義です。
 
緊急時の資金を確保できていない場合は、ボーナスを貯金に回しましょう。緊急時の資金は、生活費の半年分を目安に貯めるとよいでしょう。入院や失業など、半年分の生活費を貯蓄できていれば、焦らずに生活を立て直せます。「ボーナスがなくても生活できる」という状況を作れれば、ボーナスの額に一喜一憂せずに済む精神的な余裕を得られます。
 

まとめ

12月は冬のボーナスに関するニュースを見かけるため、自分の受け取った金額と世間の相場をついつい比較したくなります。今後の職業生活が長い方や資産形成期にある方は、勤務先の競争力や業界全体を俯瞰(ふかん)して、将来性の有無を確認しましょう。もし将来性に不安がある場合は、転職活動の開始をおすすめします。
 
また、ボーナスの額に関係なく安心して生活するためにも、収入の多角化や生活コストの削減を行うことも有意義です。今年もらったボーナスを貯蓄・自己投資・資産運用などに振り向ける金額を考え、健全な家計構築を進めていきましょう。
 

出典

株式会社帝国データバンク 2023年冬季賞与の動向調査

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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