更新日: 2023.12.15 働き方
退職金が「出ない」会社があるって本当ですか?問題はないのでしょうか?
「退職金は当然もらえるもの」と思っている人にとって、退職金が出ない会社もあるということは驚くべき情報かもしれません。
実際に、退職金が出ない会社はどれくらいあるのでしょうか。
本記事では、退職金が出ない会社の割合とともに、退職金を支払うことは会社の義務なのかどうかや、支払わないと問題になるのかについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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退職金がある会社・ない会社の割合はどれくらい?
厚生労働省が公表した「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」によると、退職給付制度がある会社の割合は74.9%、ない会社の割合は24.8%となっています。
退職給付制度がある会社を企業規模別、産業別にしたものを表1にまとめました。
表1
企業規模・産業 | 退職給付制度がある会社 | 退職給付制度がない会社 | |
---|---|---|---|
令和5年調査計 | 74.9% | 24.8% | |
企 業 規 模 別 |
1000人以上 | 90.1% | 8.8% |
300~999人 | 88.8% | 11.1% | |
100~299人 | 84.7% | 15.1% | |
30~99人 | 70.1% | 29.5% | |
産 業 別 |
鉱業、採石業、砂利採取業 | 97.6% | 2.4% |
建設業 | 82.9% | 15.6% | |
製造業 | 85.6% | 14.2% | |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 96.4% | 3.6% | |
情報通信業 | 74.6% | 24.9% | |
運輸業、郵便業 | 69.9% | 30.0% | |
卸売業、小売業 | 77.4% | 22.1% | |
金融業、保険業 | 92.8% | 6.0% | |
不動産業、物品賃貸業 | 74.7% | 24.4% | |
学術研究、専門・技術サービス業 | 87.2% | 12.8% | |
宿泊業、飲食サービス業 | 42.2% | 57.8% | |
生活関連サービス業、娯楽業 | 68.5% | 30.7% | |
教育、学習支援業 | 87.3% | 12.7% | |
医療、福祉 | 75.5% | 24.5% | |
複合サービス事業 | 97.9% | 2.1% | |
サービス業 (他に分類されないもの) |
54.4% | 45.6% |
※厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」を基に筆者作成
退職金を支払うことは会社の義務なのか?
表1からも分かるように、多くの会社では退職金が支払われています。
しかし、退職金を支払うことは義務ではないため、出ない会社があっても問題はありません。
ただし、就業規則や募集の際の求人広告に「退職金あり」と記載されている場合は、支給されなければなりません。
記載されているにもかかわらず支払われない場合は、会社と交渉する必要があるため、事前の確認が必要です。
退職金がなくても違法ではない
退職金が出る会社と出ない会社の割合と、退職金を支払うことは会社の義務なのかどうかについてご紹介しました。
退職金給付制度がない会社の割合は、全体の24.8%となっています。
退職金を支払うことは法的に義務づけられていないため、出ない会社があっても問題にはなりません。
しかし、多くの会社では退職金の制度を導入しようとしている動きがあるため、退職金が出ない会社は、今後減少していく可能性があるでしょう。
出典
厚生労働省 令和5年就労条件総合調査 結果の概況
日本労働組合総連合会 労働相談 労働相談Q&A 10.一時金・退職金
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー