更新日: 2023.12.02 働き方
仕事後の「社内勉強会」は残業が出ないので出席したくありません! 会社に「支払い義務」はないのでしょうか?
そこで本記事では、労働時間外におこなわれる社内勉強会は残業代を請求できるのか、参加の要否を判断するときのポイントとともに解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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強制的な社内勉強会は業務とみなされる
労働基準法では、法定労働時間を週40時間以内(1日8時間以内)と定めています(ただし、一定の条件下では、変形労働時間制により労働時間の枠は変化します)。
会社が法定の時間外や休日にも業務を求めるなら、36協定(サブロク協定)を締結し、社員に対して割増賃金を支払わなければなりません。そして、参加が義務付けられている社内勉強会は業務に該当するため賃金の支払い対象です。
また、任意参加としていても日頃の業務や昇給・昇進に直結する勉強会は、欠席者が不利益を被ることになります。このようなものは間接的に強制参加せざるを得ない状況なので、労働時間に含まれると考えられるでしょう。
割増賃金が支払われないケースとは?
業務時間内に開催される社内勉強会は、そもそも時間外労働にあたらず、割増賃金は支払われません。業務の一環でおこなわれているので、正当な理由なく欠席すれば業務命令違反により処分される可能性があります。
このほか、福利厚生として会社が学習機会を提供しているもの(社内での評価査定には関係のない勉強会)も、労働時間にはカウントされません。例えば、個人の資産運用や財産形成、人生設計などがテーマの勉強会は、福利厚生的なものと位置付けられていることが多いでしょう。
社内勉強会に出席するメリット
社内勉強会に参加すると、仕事に役立つ知識やスキルを学べるだけでなく、新たな分野・テーマに興味をもつきっかけを得られます。さらに日常の業務だけでは得られない恩恵を受けられることもあるので、参加の要否を判断するには次のポイントにも注目してみてください。
ほかの社員と交流できる
所属部署や担当業務が異なる社員とは、普段は関わる機会がないケースも多いでしょう。そこで社内勉強会に参加すれば、ほかの社員とコミュニケーションを取る機会を増やせます。そのなかで雑談力を鍛えたり、スキルアップに役立つ情報を交換したりもできるので、社内勉強会を通して意気投合できる仲間を探してみてはいかがでしょうか。
進行役・講師役としての経験を積める
社内勉強会では、参加者が持ち回りで進行役・講師役を務めるケースがあります。企画の立ち上げ方や資料準備、会場設営など、実際に進行役を務めて初めて得られる気付きもあることでしょう。こうして日頃から社内勉強会で経験を積んでおけば、取引先や顧客など対外的な場面も自信をもって進行できるようになります。
より高度なスキルを獲得できる
任意の社内勉強会に参加している社員は、比較的意欲が高い人材が集まっている傾向にあります。参加者同士で教えあったりノウハウを共有したりできるので、勉強に対するモチベーションを保ちやすいでしょう。その結果、より高度なスキルを獲得できる可能性も広がります。
まとめ
労働時間外に開催されるものや、会社の特命で参加を求められる社内勉強会は賃金の支払い対象です。そして任意参加のものは欠席しても、それを理由に処分を受けることはありません。
しかし、任意の勉強会でも人脈の拡大やスキルアップにつながるものがあります。そこで、参加するかどうかを判断するときには、自分にとって有用なテーマかどうかも考慮するとよいでしょう。
出典
厚生労働省 労働時間・休日
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー