更新日: 2023.11.28 働き方
「市役所職員」は公務員でホワイト職? 収入は「民間」よりも多い? 待遇や仕事内容についても解説
そこで本記事では、市役所職員(正規職員)が本当にホワイト職なのか、また仕事内容や待遇などについても解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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市役所職員とは?
市役所職員は地方公務員(行政事務)で、市役所に勤務して市に関するさまざまな業務を担当します。さまざまな業務を担当する事務系職員(一般行政職)と、主に専門分野を担当する技術系職員(技能労務職)に分かれています。
・市役所職員に採用されるまでの流れ
市役所職員に採用されるためには、地方公務員採用試験と選考に合格しなければいけません。採用試験と選考には、新卒採用と中途採用があります。いずれも、1種(大学卒業程度)、2種(短大卒業程度)、3種(高校卒業程度)などに分かれていて、教養試験などの後には面接が行われます。
・業務内容
事務系職員が主に担当するのは、住民登録や税金に関する事務、医療や福祉といった社会保障関係の手続き、観光やイベントの企画・運営など多種多様です。一方の技術系職員は、道路や水道などの維持管理、ゴミ収集とその処理、図書館司書、都市計画の策定といった専門分野に従事します。
事務系職員はさまざまな部署を異動する機会があるようですが、技術系職員は同部署内での異動が大半だといいます。
・勤務時間と休日
市役所職員の労働時間は、原則1日7時間45分、土日祝日・年末年始は休みというのが基本です。ただし、残業(時間外労働)や休日出勤のほか、災害などの発生時には緊急出勤もあります。
・昇進の基準
自治体にもよりますが、市役所職員の昇進を決定するためには、昇任試験や面接を受けることが一般的です。一般的に、係長、課長、部長の順に昇進していきます。
市役所職員はホワイト職なのか?
市役所職員には「ホワイト職」のイメージが定着していますが、実際はどうなのでしょうか。
・市役所職員はホワイト職?
民間企業の中にはいわゆるブラック企業も存在しますが、待遇面において市役所職員の労働環境はおおむねホワイトです。
ただ、労働基準法で規定されている残業(月45時間、年360時間が上限)は市役所職員にも認められており、必ず定時退勤ができるとは限りません。地方公務員の過労死問題などもたびたび報じられるとおり、ホワイト職とはいえない環境もゼロではないようです。
・市役所職員の大変なところは?
事務系職員は部署の異動が多く、転職に匹敵するほど業務内容が大きく変わることも珍しくないといいます。また、窓口業務では市民からのクレームにも対応する必要があったり、災害時には労働時間や業務内容が大きく変わったりする可能性もあります。
市役所職員の月収はどれくらい?
総務省の「令和4年4月1日 地方公務員給与実態調査結果」によると、市役所職員の平均給料月額は事務系職員で31万5510 円(平均年齢42歳)となっています。技術系職員に関しては市役所職員単体のデータはありませんが、全地方公共団体の技術系職員の平均給料月額は31万231円(同51.7歳)です。
なお、事務系職員の1年目の平均給料月額は、高卒が15万4623円で大卒が18万6243円となっています。
また、民間における賞与にあたる勤勉手当・期末手当が6月・12月に支給されます。
市役所職員特有の勤務形態を覚悟しておこう
市役所職員といっても、その業務内容は多岐にわたります。役所の窓口業務はもちろん、日々の暮らしに欠かせないゴミ収集も市役所職員の仕事です。市民生活に直結するやりがいのある仕事であり、労働時間は原則1日7時間45分で、休日も基本的にカレンダー通りと待遇面に関しても悪くないといえるでしょう。
収入も中小企業の平均を上回っていて、全産業と比較しても決して低いわけではありません。
ただし、災害時の緊急対応のような、特有の勤務形態を強いられる可能性があることは覚悟しておく必要があります。
出典
総務省 令和4年度 地方公務員の過労死等に係る 公務災害認定事案に関する調査研究事業 調査研究報告書
総務省 地方公務員の時間外勤務に関する実態調査結果(概要)
総務省 令和4年 地方公務員給与の実態
厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー