更新日: 2023.11.12 働き方
社会人1年目、始業時間に席に着くと「5分前には着席するように」と上司に怒られます…これって時間外労働にならないですか?
しかし、始業時間より早く出勤した場合、その時間は「労働時間」に当たらないのでしょうか。もし該当するとしたら、早く出勤した分の残業代が支払われなければなりません。
本記事では、5分前出勤が労働時間とみなされるケースについて、労働時間の定義とともにご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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労働基準法が定める労働時間とは?
労働基準法では、労働時間や休憩に関するルールを以下のように定めています。
●一日に8時間以上、1週間に40時間以上労働させてはいけない
●労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければならない
この時間を超えて労働させる場合は、時間外労働協定である「36協定」を締結して、行政官庁に届け出なければなりません。
また、職場で定められている終業時刻を過ぎてからも業務を続ける場合は、時間外労働として残業代が支払われます。同じように始業時刻前に出勤することも、時間外労働に該当する可能性があります。
残業に当たるかどうかのポイントは「会社による指示」か「自身の意思」か
ただし、始業時間より早く出勤することが、必ずしも残業代の支払い対象になるわけではありません。
例えば、「通勤時の渋滞に巻き込まれたくないから」「自分のデスク周りを軽く掃除してから仕事を始めたいから」などの理由で、自分の意思で早く出勤して、始業の5分前から着席している場合は、労働時間に該当しないと判断されます。
一方、「5分前には席に着いているように」という上司からの明確な指示がある場合は、労働時間とみなされることが一般的です。
また、直接的な指示がない場合であっても、始業時刻前に朝礼を行ったり、間に合わなかったときに人事評価に影響をおよぼす場合は、出勤前の5分間は労働時間に当たるとされます。
残業に当たるかどうか迷ったときは相談を!
「5分前精神」は昔から大切にされてきた考え方であり、時間に余裕を持って行動することは、ビジネスシーンにおいてはとても重要なことです。
しかし、始業時間より早く出勤することを会社から強制されている場合は、早く出勤した時間分が残業時間に該当する場合があります。
「5分前に席に着いていなければ人事評価に影響する」「減給の対象にする」などと会社からいわれた場合は、担当部署や労働基準監督署などに相談しましょう。
5分前出勤が負担であったり、給与が支払われないことに対して納得がいかなかったりする場合は、相談することを検討してもよいでしょう。
出典
厚生労働省 労働時間・休日 労働時間・休日に関する主な制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー