更新日: 2023.10.30 貯金
ついに預貯金が「1000万円」目前!このまま一つの銀行に預けていてもよい…?
しかし預貯金が1000万円を超える前に、預け方について再検討することをおすすめします。預貯金が1000万円を超えるとどのようなリスクがあるのか、その対策としてどのようなことを検討した方がよいのか、それぞれご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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預貯金が1000万円を超える前に確認することは?
銀行へ預け入れした金額が1000万円を超えると、預金保険制度(ペイオフ)適用外となる資産ができてしまいます。預金保険制度とは、対象金融機関・対象口座へ預け入れしていた場合に限り、金融機関が破綻しても一定額の預金などを保護するための保険制度です。
しかし預けている金額によっては、金融機関が破綻した際に補償を受けられず、損失となる可能性があります。
預金保険制度が適用されるのは、預金保険制度へ加入し、保険料を納めている金融機関を利用している場合のみです。基本的な対象金融機関と、対象外金融機関は表1の通りです。
表1
対象の金融機関 | 対象ではない金融機関 |
---|---|
●銀行法に規定する銀行 ●長期信用銀行法に規定する長期信用銀行 ●信用金庫 ●信金中央金庫 ●信用組合 ●全国信用協同組合連合会 ●労働金庫 ●労働金庫連合会 ●株式会社商工組合中央金庫 ●株式会社ゆうちょ銀行 |
●左記金融機関の海外支店 ●政府系金融機関 ●外国銀行の日本支店 ●農林中央金庫 ●信用農業協同組合連合会 ●信用漁業協同組合連合会 ●水産加工業協同組合連合会 ●農業協同組合 ●漁業協同組合 ●水産加工業協同組合 ●保険会社、証券会社 |
※金融庁「預金保険制度 私たちの預金と保護の仕組み」をもとに筆者作成
また対象の金融機関に預け入れしている場合でも、金額によっては保証が受けられない可能性があるため、注意が必要です。
利息の付く普通預金口座や定期預金口座などへ預け入れしている場合は、預金者一人につき元本1000万円まで、および破綻日までの利息などしか保証されません。一方で、預け入れしても利息が付かない普通預金(決済用預金)などの口座は全額が保証されます。
リスク対策になる二つの方法
金融機関が破綻し補償が受けられなくなった場合への備えとしては、下記の二つが挙げられます。
●ほかの金融機関も活用し、預け入れを分散させておく
●一般預金口座から、決済用預金口座へ切り替える
預金保険制度の保護範囲内であったとしても、保護されたお金の払い戻しには時間がかかる場合もあります。その間の生活費や急な出費に備えるためにも、複数の金融機関へ分散して預け入れするのがよいでしょう。
また銀行によっては、一般預金口座から決済用預金口座への切り替えを受け付けている場合もあります。決済用預金口座とは、決済サービスが利用できるうえ、預金者による払い戻しがいつでもできる口座です。ただし、利息が付かないという特徴があります。
決済用預金口座なら、預け入れているお金の全額が保護の対象となるため、利息が付かなくても問題がない場合は、口座を移行させましょう。
預貯金が1000万円を超えそうならリスク対策を
預貯金が1000万円を超えそうなときは、金融機関破綻のリスクに備えて、預け方について再検討するよいタイミングです。複数の金融機関へ預ける、口座を切り替えるなどの方法で対策できるため、一度検討しておきましょう。
出典
金融庁
預金保険制度
預金保険制度Q&A
預金保険制度 私たちの預金と保護の仕組み
預金保険機構 (Q3-1)「決済用預金」とはどのような預金か。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー