更新日: 2023.10.28 働き方
残業が嫌で毎日定時退社していますが、ボーナスの金額に影響はあるでしょうか?
残業を断って毎日定時退社をしている人は、それが原因で低くなることが心配かもしれません。そこで本記事では、残業を拒み続けている新卒を想定し、ボーナスの金額に及ぶ影響について紹介します。
※本記事の労働基準法に関する記載は、e-GOV法令検索を出典としております。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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残業の拒否による評価の低下
時間外労働の上限規制が、大企業では2019年4月、中小企業では2020年4月に施行されました。また、人件費削減や働き方改革の観点から、従業員の定時退社を促す職場も増えています。
時間外労働の削減に関する風潮を知ると、自分も残業を断って構わないのではないかと楽観的に考える人もいるでしょう。しかし、実際は勤務態度や就業意欲の面で評価を落としてしまう可能性があります。なぜなら、36協定に基づいて、企業は従業員に残業を命じることが認められているからです。
36協定は労働基準法の第36条で定められた労使協定です。月45時間と年360時間※という範囲に限定されますが、企業はこれも踏まえて従業員に業務を割り振れます。よって、残業を拒否すると、自分の仕事を放棄していると見なされかねません。
※数字の出典:厚生労働省 時間外労働の上限規制
ボーナスの査定に与える影響は?
ボーナスの査定で考慮する要素は企業によってさまざまです。とはいえ、毎月支払われる基本給をベースとして、他の評価も加味して決めるのが一般的となっています。例えば、基本給の2倍を基準として、そこに評価で決まる係数を掛けるといった具合です。
前述のとおり、残業を拒み続けている従業員は、勤務態度などが悪いと判断される可能性が否定できません。ボーナスの査定において、そのような評価も重視する方針なら、金額が下がるリスクもあるということです。
労働基準法の第89条に基づき、企業がボーナスの制度を導入する場合、支給条件などを就業規則に明記しなければなりません。したがって、査定の方針を知りたいなら、まず就業規則を読んでみるとよいでしょう。
ただし、残業の拒否について具体的に書かれているとは限りません。そのため、管理職の上司や人事担当者に確認しておくことが望ましいでしょう。
正当な理由で拒否しているケース
残業の拒否に正当な理由がある場合、ボーナスの不利な査定を回避できる見込みがあります。例えば、病気で長く働けない人は、医師の診断書の提出などにより、定時退社を容認してもらえる可能性が高いです。
なぜなら、従業員の身体の安全を確保しながら働かせることが、労働契約法の第5条で義務付けられているからです。また、妊婦および産後1年未満の女性が定時退社を要求した場合、企業は残業を命じられません。これは労働基準法の第66条で定められている規則です。
なお、家族の介護をはじめとして、正当と解釈できる理由は他にもあります。いずれにせよ、そうした理由がある場合には残業を拒み続けて悪い印象を与える前に、相談する機会を設けて実情を伝えましょう。
ボーナスのダウンを防ぎたいなら対策を!
早く帰って遊びたいなど、自分勝手な理由で残業を拒否しているなら、ボーナスの金額が下がることは十分にありえます。このような事態を防ぎたいなら、就業規則をチェックしたうえで、勤務のスタンスを改めたほうが得策です。
正当な理由がある場合も、それを伝えて理解してもらおうとする姿勢が必要です。自分がどのケースなのかを踏まえて、対策を検討しましょう。
出典
厚生労働省 時間外労働の上限規制
e-GOV法令検索 労働基準法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー