更新日: 2023.10.18 貯金

キャッシュレス時代でタンス預金をする人が減少!? それでもタンス預金をする理由とは?

キャッシュレス時代でタンス預金をする人が減少!? それでもタンス預金をする理由とは?
銀行などの金融機関ではなく、自宅で現金を保有している「タンス預金」は、多くの人が経験しているでしょう。タンスに限らず、家のどこかに現金を置いている場合、タンス預金と表現されるケースが大半です。
 
近年は、このタンス預金の金額を減らしたという人が一定数いることが、財務省による調査で分かっています。本記事では、タンス預金の金額を減らした理由や、それでもタンス預金をする理由について紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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タンス預金の金額が減った人は2割以上

財務省は、「通貨に関する実態調査」を行い、紙幣や貨幣などに関するさまざまな状況を調べました。令和4年度の結果によると、1年前と比べて、自宅で保有している現金の量が「増えた」と回答した人は、8.1%にとどまっています。「変わらなかった」と回答した人が70.6%でもっとも多かったものの、「減った」と回答した人は21.3%と、増えた人の割合よりも多いという結果でした。
 
同調査で、普段自宅で保有している紙幣や貨幣を尋ねたところ、もっとも多くの割合を占めたのは1万円紙幣です。半分以上の人のタンス預金に1万円紙幣が含まれていることが分かります。
 
しかし、他の紙幣や貨幣も40%を超えているため、少額のタンス預金も多いといえるでしょう。極端に保有している割合が少ないのは、2000円紙幣で、他の紙幣や貨幣と比べてあまり流通していないためとみられます。
 

タンス預金の金額が減った理由はキャッシュレス?

同調査では、1年前と比べて自宅で保有している現金の量が減った人に、その理由を尋ねています。
 
もっとも多かった回答は、60.2%で「キャッシュレス決済の普及により現金を使う機会が減った」でした。つづいて多かったのは21.5%で「手元で現金を保管するのが面倒」という理由です。また、「金融機関で現金を入金する際の手数料が導入された」という理由も19.5%でした。
 
タンス預金の金額が減ったのは、キャッシュレスの影響が大きいと考えられます。また、これらの回答から、老後など遠い将来のためというよりも、普段の生活で使っている現金がタンス預金となっているケースが多いこともうかがえます。今後、このままキャッシュレス化が進むと、タンス預金の金額が減る人がさらに増加するでしょう。
 

タンス預金をしている意外な理由とは

多くの店舗でキャッシュレス決済が可能になってきていますが、それでもタンス預金をする人は多くいます。実際に、タンス預金の金額が1年前と比べて変わっていない人の割合は7割超と、もっとも多い状況です。同調査では、自宅で現金を保有する理由も尋ねています。
 
もっとも多い回答は38.5%で「買い物等の際に余った小銭を保管している」でした。やはり、タンス預金は将来のためというよりも、普段の生活の副産物的な位置付けであるといえるでしょう。
 
28.8%で「非常時にキャッシュレス決済は使えなくなる可能性がある」、25.8%で「金融機関やATMでの入出金は面倒」がつづいています。「金融機関やATMでの入出金は手数料がかかる」も25.4%で、「手元に現金があると安心」も18.2%という結果でした。合理的なものから、面倒や安心といった感覚的なものまで、タンス預金をしている理由はさまざまです。
 

タンス預金の金額や理由は人それぞれ

タンス預金の金額は以前と比べて変わらない人が大半を占めるものの、減った人も一定の割合でいます。タンス預金の金額が減ったのは、やはりキャッシュレスの影響が大きいでしょう。その一方で、キャッシュレス決済が使えなくなる非常時に備えて、タンス預金をしている人も多くいます。
 
また、タンス預金は老後など遠い将来を見据えてというよりも、小銭貯金のように普段の生活のなかで日常的に行われていることもうかがえます。
 

出典

財務省 通貨に関する実態調査 令和4(2022)年度結果概要

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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