更新日: 2023.10.15 働き方

転職先で「うちは30時間の固定残業制だから、残業しないと給料は減るよ」と言われました。これって違法ですよね?

転職先で「うちは30時間の固定残業制だから、残業しないと給料は減るよ」と言われました。これって違法ですよね?
あらかじめ決まった残業時間分の手当てが給料に含まれている固定残業制を採用している企業や団体もありますが、残業代をめぐってトラブルになることも少なくありません。
 
本記事では、「30時間の固定残業代」が含まれている給与体系のもとで働いている人が実際に10時間残業した場合、残業代は支給されるのか、決まった残業時間よりも少ないから給料の一部を返さないといけないのかを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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実際の残業時間数にかかわらず支給される

結論から言えば、「30時間分の時間外手当を含む」規定が雇用契約書や就業規則などに記載されている場合、実際に30時間残業をしたかどうかにかかわらず、毎月定額の残業代が支給されます。
 
例えば、固定残業代として3万円支給する規定になっている場合は、仮に全く残業をしなかったとしても3万円支給されます。「今月は残業10時間で、規定時間より20時間少ないから3分の1の1万円しか出ないよ」といったことはできません。もちろん支払われた給料の一部を後日返さなければならないこともありません。
 

固定残業制は誤解されることも多い

固定残業制は「あらかじめ定められた時間までは自由に残業させられる」などと、指揮命令を行う管理者が誤解しやすいともいえるシステムです。
 
30時間の固定残業制が導入されている場合は「30時間までは残業させ放題」「30時間分の残業代が支給されているのに残業しないのは卑怯だ、給料泥棒だ」などといった組織風土になる可能性もあり、長時間労働の温床となるおそれもあります。
 

まずは雇用契約書や就業規則を確認する

固定残業制が採用されている企業や団体で勤務している場合は、まずは自分自身の雇用契約書や勤務先の就業規則がどのような規定になっているかを確認しましょう。
 
「固定残業制で定められている残業時間に到達していないから今月の残業代は支給されない」などと指摘された場合は、固定残業制の仕組みを誤解している可能性が高いです。
 
ただし管理者側も故意ではなく全く悪意がない場合も考えられるため、最初から強硬な態度で臨むのではなく、まずは丁寧に話し合いを進めるほうが賢明かもしれません。
 

まとめ

今回は、今月10時間残業したのに「うちは30時間の固定残業制で20時間足りないから、給料は減るよ」と言われた場合、違法になるのか解説しました。
 
固定残業制は実際の残業時間数にかかわらず、あらかじめ定められた時間外手当は基本給と一緒に毎月支給されます。万一支給されない場合は違法になる可能性が高いため、雇用契約書や就業規則を確認したうえで人事や総務部門に相談することをおすすめします。
 

出典

厚生労働省 労働条件をめぐる悩みや不安・疑問は労働条件相談ほっとラインへ

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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