更新日: 2023.09.06 その他家計

エアコンや照明はつけっぱなしでも電気代は大したことないと聞きます。これって本当でしょうか?

エアコンや照明はつけっぱなしでも電気代は大したことないと聞きます。これって本当でしょうか?
令和5年は実質賃金が減少傾向にあり、加えて食料品など生活に必要な品の値上げが続いています。さらに追い打ちをかけるように、6月からは電気料金の値上げが行われ、電力会社によっては42%増というエリアもあります。
 
こうした状況下で私たちにできることの一つは「節電」です。節約の入り口として語られる節電を行った場合にどの程度の効果があるのか、具体的に検証します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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こまめな消灯・電源オフ。まとまると大きな節約効果に

家電製品をこまめに消した場合に、どの程度の節約効果が見込めるのでしょうか。環境省が運営するサイト「みんなで節電アクション!」では、家庭でできる節電方法を紹介し、どの程度の電力を節約できたのか解説しています。
 
本項では、節電した電力量からどの程度の電気料金を節約できるのか検証しています。
 
【図表1】

家電 節電量(年) 節約効果(年) 節約効果(10年) 節電行動
エアコン 59.51 kWh 2178円 2万1780円 1日1時間、使用時間を減らす
パソコン 31.57 kWh 1155円 1万1550円 1日1時間、使う時間を減らす
テレビ 15.00 kWh 549円 5490円 1日1時間、見る時間を減らす
照明 4.38 kWh 160円 1600円 1日1時間、蛍光灯の点灯時間を減らす

※電力単価は東京電力2023年6月1日以降の第2段階料金36円60銭/kWhで算定
 
筆者作成
 
算定した結果、1日1時間、各家電を利用する時間を減らした場合、最も節電効果が大きなエアコンでは年間「2178円」という結果になりました。他の家電も、節電効果は年間数百円ほどですが、10年続けると数万円の節約につながる可能性があります。
 
エアコンやテレビ、照明は部屋ごとに複数使用するため、実際の節電効果はさらに高まると予想されます。
 

電源オン・オフ以外にもある「こんな節電」

使用時間を減らすこと以外にも、節電するための方法はあります。例えば、コンセントにつながって待機状態となっている機器や、エアコンの設定温度などです。
 
こうした細かな節電をすると、どの程度の節約効果が見込めるのでしょうか。
 
【図表2】

電気設備 節電量(年) 節約効果(年) 節約効果(10年) 節電行動
主電源 285 kWh 1万431円 10万4310円 待機時消費電力をすべて削減できた場合
エアコン 30.2 kWh 1105円 1万1050円 設定温度を27度から28度に
冷蔵庫 61.7 kWh 2258円 2万2580円 設定を「強」から「中」に
冷蔵庫 43.8 kWh 1603円 1万6030円 詰め込まず内容量の半分に
テレビ 152 kWh 5563円 5万5630円 プラズマテレビの輝度を「最大」から「中」に
トイレ 26.4 kWh 966円 9660円 便座の設定温度を「中」から「弱」に
洗濯機 5.9 kWh 215円 2150円 1回あたり洗濯物量を洗濯機容量の「4割」から「8割」に

※電力単価は東京電力2023年6月1日以降の第2段階料金36円60銭/kWhで算定
 
筆者作成
 
使用する時間の削減以外でも、年間、あるいは10年単位で見ると、大きな節約効果が見込めそうです。
 
特に節約効果が期待できるのは、主電源のオン・オフです。使用頻度の高い機器の主電源を抜くと手間がかかるので、完全に使用していない機器を探してコンセントから抜くなどして、生活の質を落とさずに節約に取り組みましょう。
 
節電につながる行動として、「みんなで節電アクション! 特設サイト」では、ほかに以下の方法が記載されています。取り組めるものから実践してみましょう。

・炊飯器の保温を控える
・電気ポットの保温を控える
・食洗機は節約モードで。乾燥機能は控える
・温水洗浄便座の使用を控える。フタを閉める
・洗濯にお風呂の残り湯を使う
・衣類用の乾燥機の使用を控える
・お風呂の自動保温を止める
・早寝早起きのライフスタイルに
・食事や団らんは一つの部屋で

なお、エアコンなどの冷暖房機器の節約は、夏は熱中症、冬はヒートショックの危険性が高まるため、体に無理のない程度に取り組むよう注意しましょう。
 

まとめ

本記事では、こまめに電源を切ったり、設定を変更したりすることで取り組める節電について、方法と効果を紹介しました。結果としては、節電が家計に及ぼす影響は大きくはないものの、10年など長いスパンで見ると決して小さくもないものでした。
 
また、こうした節電への意識を高めると、食費や通信料など、他の費目についても節約意識の高まりが期待されます。値上がりに対抗する節約生活の第一歩として、節電を始めてみてはいかがでしょうか。
 

出典

環境省 みんなで節電アクション! 特設サイト 家庭でできる節電アクション
東京電力エナジーパートナー株式会社 従量電灯B・C
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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