更新日: 2023.08.13 その他家計

水道料金は「4割」値上げの予定!? 全国平均はどのくらい? 簡単にできる節水方法について解説

水道料金は「4割」値上げの予定!? 全国平均はどのくらい? 簡単にできる節水方法について解説
2043年までに水道料金の値上げが必要と推計される事業体は全国で94%に及ぶという調査結果があります。また、その際の値上げ率も平均43%と高い予想です。
 
実際、2022~2023年にかけて水道料金の値上げを行っている自治体も多く、家計を圧迫する要因になりかねません。
 
今回の記事では、家庭で簡単にできる節水方法を料理、風呂、洗濯、その他に分けて紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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水道料金はどうやって決まる? 全国平均はいくら?

水道料金は基本料金+従量料金+下水道料金の合計で決まります。総務省によると全世帯の上下水道代の平均は約5200円です。世帯の人数別に見ると2人世帯は約4200円、3人世帯は5500円、4人世帯は約6200円、5人世帯は約7100円です。
 
しかし、水道料金は自治体によって差があります。2021年の調査によると、全国で最も水道料金が安い自治体は兵庫県赤穂市(口径13mm、20立方メートルあたり853円)、逆に最も高い自治体は北海道夕張市(口径13mm、20立方メートルあたり6841円)で、その差は約8倍です。
 

水道料金が43%値上がりする予想も

EY新日本有限責任監査法人と水の安全保障戦略機構事務局の共同調査によると、水道設備の老朽化や人口減少による水道料金の値上げは2043年までに全国の事業体の94%で行われ、平均では43%の値上げになると予測されています(図表1)。
 
特に北海道、東北、北陸地方では値上げ幅が大きい予測で、この地域では3割以上の事業体で50%以上の値上げがなされると予測されています。
 
図表1
 
世帯人数別水道料金
 
EY新日本有限責任監査法人・水の安全保障戦略機構事務局 人口減少時代の水道料金はどうなるのか?(2021年版)
 

水道料金の値上げに負けないための節水方法

ここからは、家庭で簡単にできる節水方法を9つ紹介します。国土交通省によると家庭用水の使用目的の1位は風呂(40%)、2位はトイレ(21%)、3位は炊事(18%)、次いで洗濯(15%)でした。つまりこれら4項目で節水ができれば、水道代が安くなる可能性が高まります。
 
なお、今回の計算にあたっては東京都水道局のホームページを参考に、1リットルあたり0.24円とします(下水道料金及び消費税を含む)。また、1ヶ月は31日とします。
 

風呂

1.かかる時間によってシャワーと入浴を使い分ける

東京都水道局によると一般家庭で風呂を貯める際に使う水の量は180リットルです。そのため風呂にお湯を張るためにかかるお金は180(リットル)×0.24(円)なので約43円です。
 
一方、シャワーを1分間流しっぱなしにした場合に使う水の量は12リットルです。これを金額にすると約3円です。つまりシャワーを15分以上使うのであれば風呂にお湯をためる方がお得です。
 
お湯を貯める場合も、体を流す際などシャワーを併用することもあるかと思いますので厳密にこの時間とは言えませんが、1つの目安にしてみてください。
 

2.節水シャワーヘッドを利用する

シャワーヘッドを節水タイプに変えるのも節水方法としておすすめです。今回は商品比較サイト「mybest」の節水シャワーランキングで1位(2023年7月)のアクセルの節水シャワーヘッドを使用した場合で計算します。
 
この節水シャワーヘッドでは1分あたり約4.3リットルの水が出ますが、これは一般的なシャワーヘッドの約3分の1、節水率としては約63%です。1日15分シャワーを使う場合、通常のシャワーヘッドでは約43円かかるところ、アクセルの節水シャワーヘッドをつけた場合では約15円です。
 
シャワーヘッド交換のために初期費用が掛かるものの、多くのシャワーヘッドは2000~3000円で、先ほど紹介したシャワーヘッドも約2500円です(2023年7月時点)。長期的なコストを考えると交換も1つの手と言えます。
 

3.残り湯を活用する

一般家庭で使用する風呂水は約180リットルです。このうち半分の90リットルを洗濯や掃除、花の水やりなどに活用すると1ヶ月で約670円の節約が可能になります。風呂は生活の中で最も水を使う場所なので、風呂水を再利用すれば水の使用量をかなり抑えることに成功します。
 

料理

4.食器洗浄機を使用する

6人分の食器を洗う場合に必要な水の量は、手洗いで約88リットル、食器洗浄機を使用した場合は約7.5リットルです。
 
1日2回洗い物をする場合、1ヶ月でかかる水道代は手洗いが約1300円、食器洗浄機を使った場合は約110円です。食器洗浄機導入の初期費用を考えず、水道代に限って言えば年間約1万4000円の節約になります。
 

5.水をこまめに止める

食器洗浄機を使用できず手洗いをする場合でも、細かい工夫で水道代を節約することができます。
 
食器を洗うのに5分間水を流しっぱなしにした場合に使う水道の量は60リットルですが、仮に半分の時間は水をためるようにすれば30リットル、約7円の節約になります。1回の金額は小さくても、毎日のことなので積もり積もって大きな金額になります。
 

洗濯

6.まとめて洗濯する

洗濯をする際はなるべくまとめて行いましょう。洗濯の回数を減らすことで使用する水の量を減らすことができます。しかし、まとめて洗濯しようとするあまり、洗濯機の中をいっぱいにするのは避けましょう。
 
洗濯機にもよりますが、洗濯物の容量は洗濯槽の7割程度までにするのが理想的です。洗濯物が多くなりそうなときは、汚れが少ないものは手洗いをするなどして洗濯機に入れる量を調整しましょう。
 

7.ドラム式洗濯機にする

Panasonicのホームページによると、容量が同じ12kgのドラム式洗濯機と縦型洗濯機を比較した場合、ドラム式洗濯機で洗濯する際の水道代は1回約22円、縦型洗濯機では約40円と倍程度の差があります。
 
ドラム式洗濯機にすぐに替えるのは難しいかもしれませんが、買い替えのタイミングでぜひ検討してみてください。
 

トイレ・その他

8.流す際の大と小を適切に使い分ける

トイレを使用する場合、大・小が選べる場合は適切に選ぶことで水の無駄遣いを防ぐことができます。ただ、小で流そうとして1回で流れず2回以上流すと逆に水を使うことになるので気を付けましょう。
 
また、トイレットペーパーの使いすぎも流れを悪くし、何回も流すことにつながります。必要以上にトイレットペーパーを使いすぎないのも大切です。
 

9.洗車はバケツに水をためて

車を所有している場合は自宅で洗車する機会もあるでしょう。車をきれいにするため、ついホースで水を流しっぱなしにしてしまいがちですが、洗車は水を約90リットルも使う作業です。
 
しかしバケツにためた水で洗車をすれば使う水は約30リットルで済み、水道代も3分の1となります。その際、すすぎ以外は風呂の残り湯を使えばさらに節水できます。
 

家庭でできる節水を実践して水道料金の値上げに備えよう

水は知らず知らずのうちに使ってしまいがちですが、意識すれば意外とストレスなく節水できます。節約というと食費や電気代を考えがちですが、日常生活での水の使い方に少し気を付けるだけで節約につながります。
 
水道料金の値上げに負けないよう、今回の記事を参考にして家庭でできる節水を実践してみてください。
 

出典

EY新日本有限責任監査法人・水の安全保障戦略機構事務局 人口減少時代の水道料金はどうなるのか?(2021年版)

総務省統計局 家計調査 家計収支編2022年

国土交通省 水資源の利用状況

東京水道局 くらしと水道 水の上手な使い方

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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