更新日: 2023.07.15 その他家計
ポータブル電源で節約は可能?「炊飯器」の電気代はどれだけ節約できる?
執筆者:嘉陽宗一郎()
ポータブル電源で節電できる理由
ポータブル電源を使うとなぜ節電できるのでしょうか。ポータブル電源の特徴は電気をためておける点です。電気料金は夜間のほうが安くなる場合が多いため、夜間にポータブル電源に充電しておき、充電した電気を昼間に使えば電気料金が安くなります。
例えば、東京電力の「スタンダードS」プランでは、1kWhあたり120kWhまでが30.0円、121~300kWhまでが36.6円、301kWh以上が40.69円ですが、「夜トク8」の場合は夜間の料金が1kWhあたり31.84円です(2023年7月時点)。
さらに、ソーラーパネルを使って太陽光で発電すれば、電気料金は無料ですみます。ソーラーパネルは天候によって発電量が左右される点がデメリットですが、ポータブル電源に充電しておけば天候が優れない場合でも、安定して電気を使えるようになるでしょう。
ポータブル電源で使える家電
ただし、ポータブル電源はどのような家電でも使えるわけではありません。ポータブル電源で使える家電を説明します。
使える家電はポータブル電源の容量次第
ポータブル電源に使える家電を決めるのは、電源の容量と定格出力です。例えば、株式会社Jackery Japanのポータブル電源は電源容量が240Whから2000Wh超、定格出力は200Wから3000Wを超えるものまであります。
家電の定格出力は、カタログや説明書に記載されており、容量は定格出力から計算できます。例えば、液晶42型のテレビであれば定格出力は210W程度で、このテレビを1時間動かそうとすると容量は210Wh、2時間なら420Wh必要です。
計算するくらいなら最初から大容量のポータブル電源を買えばよいのでは? と思うかもしれませんが、大容量なものになると数十万円かかります。使いたい家電の定格出力と、使いたい時間の長さを計算して、適切なポータブル電源を選ぶ必要があるでしょう。
ポータブル電源での使用に向いている家電
ポータブル電源は定期的に充電しなければならないため、常に電源が必要な家電(冷蔵庫など)には向いていません。電子レンジや炊飯器、ホットプレートのように一時的に使う家電が適しています。
中でも、ドライヤーやホットプレート、電気ケトル、炊飯器などは多くの電力を消費するためおすすめです。
ポータブル電源で実際にどのくらい節約できる?
実際にポータブル電源でどのくらい節電できるのかは、ポータブル電源の容量や使う家電によって異なります。例えば、炊飯器をポータブル電源で使った場合を考えてみましょう。
炊飯器の平均消費電力は1回あたり121.9Whとされています。1日2回ご飯を炊くとすると243.8Whで、1ヶ月で7314Whになります。これを電気料金にすると227円相当で、ソーラーパネルで充電した場合は、この金額が節約できます。
家電1つだけだと、たいしたことがないかもしれませんが、容量の大きなポータブル電源を使って複数の家電を使えば、さらに節約が可能になります。
まとめ
ポータブル電源があれば、電気料金の安い夜間に充電したり、ソーラーパネルを使ったりして電気料金を節約できます。1回あたりに節約できる金額はわずかかもしれませんが、日常的に使い続けるほか、複数の家電で使用することでより節約につながるでしょう。ポータブル電源を倉庫で眠らせているという人は、自宅でも活用してみてはいかがでしょうか。
出典
東京電力ホールディングス株式会社 スタンダードプラン
東京電力ホールディングス株式会社 夜トクプラン
東京電力ホールディングス株式会社 主な電気機器のアンペアの目安
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士