更新日: 2023.07.11 家計の見直し

「都市ガス」VS「プロパンガス」1ヶ月のガス代の差はどのくらい? 災害時に有利なのは「プロパンガス」って本当?

「都市ガス」VS「プロパンガス」1ヶ月のガス代の差はどのくらい? 災害時に有利なのは「プロパンガス」って本当?
「都市ガス」と「プロパンガス」について、それぞれ聞いたことはあるものの、具体的な違いはよく分からないという人も多くいるのではないでしょうか。本記事では「都市ガス」と「プロパンガス」について知りたい人に向けて、1ヶ月のガス代はどのくらい違うのか、それぞれを使用するメリット・デメリットについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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1ヶ月のガス代の差は

まず、都市ガスとは「LNG」と呼ばれることもある、メタンが主成分の液化天然ガスです。日本で使用されている天然ガスのほとんどは海外からの輸入によるもので、主な輸入先はオーストラリアやマレーシアが挙げられます。都市ガスは空気よりも軽い点が特徴です。
 
一方、プロパンガスは「LPガス」や「LPG」と呼ばれることもある、プロパン・ブタンが主成分の液化石油ガスのことをいいます。プロパンガスも大半は米国や中東から輸入していて、空気よりも重い点が特徴です。
 
都市ガスを使用した場合の料金は「基本料金+単位料金×ガス使用量」で算出できます。東京ガスが公表しているガス料金表の「一般契約(東京地区等)」をもとに、1ヶ月のガス使用量を10立方メートルと仮定して計算すると「759+145.31×10=2212.1」となり、約2212円かかると分かります。
 
一方、プロパンガスを使用した場合の料金は「基本料金+従量単価×ガス使用量」で算出可能です。
 
一般財団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センターが公表している2023年4月時点の東京都における基本料金の平均金額1862円と、10立方メートル使用した場合の従量単価平均801.8円をもとに算出すると「1862+801.8×10=9880」となり、1ヶ月のガス代は9880円になると分かります。
 
これらの結果から、都市ガスとプロパンガスの1ヶ月のガス代の差は「9880-2212=7668」となり、8000円程度の差が生まれるといえるでしょう。ただし、プロパンガスの熱量は都市ガスの約2倍大きいため、同じ使用状況でも必要なガスの量が異なる点に留意が必要です。
 

都市ガスとプロパンガスのメリット・デメリットとは

都市ガスのメリットとしては、同量のガスを使用した場合、プロパンガスよりもガス代が安くなる点が挙げられます。しかし、熱量がプロパンガスよりも低い点や、都市ガスはガス管を通して配給されるため、ガスの配管が通っていない場合には使えない点などがデメリットといえるでしょう。
 
プロパンガスは、都市ガスよりも熱量が高い点や、都市ガスと異なり、配管ではなくガスボンベで供給されるため、災害時にガスの配管が被害を受けた場合も影響を受けないことから復旧が早い点などがメリットです。
 
一方、デメリットとしては都市ガスよりも料金が高くなりがちな点や、料金設定が分かりにくい点などが挙げられるでしょう。
 

メリット・デメリットを考えて選ぼう

本記事では都市ガスとプロパンガスの違いについて解説しましたが、両者はかかるガス代が異なるだけでなく、災害時の復旧の早さなど、それぞれ異なる特徴があります。
 
どちらを選ぶべきなのかについては、それぞれのメリット・デメリットを考慮して、自身の使用状況に合わせて適切なほうを選ぶのがよいでしょう。検討する際は料金だけでなく、複数の観点から検討することが大切です。
 
※ 2023/9/1 記事を一部、修正いたしました。
 

出典

一般財団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センター 最新価格情報

TOKYOGAS ガス料金表(家庭用/業務用・工業用共通)

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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