更新日: 2023.07.07 その他家計
1人暮らしは「米だけ炊く」のがコスパ最強!? 自炊の費用と比較してみた
そこで、「米だけ炊いてあとは総菜などを利用する」というスタイルが注目されています。これは、実際に食費を下げるよい方法なのでしょうか。
本記事では、1人暮らしの食費の統計データや自炊と外食の費用の比較からその方法のコスパについて探ってみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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統計データに見る1人暮らしの食費
統計データから1人暮らしの人々の食費を見てみましょう。総務省統計局の調査によると、2023年1~3月期の1人暮らし世帯では、食費の平均支出月額が約4万円となっています。
ただし、地域による環境の差を考えると、都市部では平均的に食費が高く、地方では比較的抑えられるという違いはあります。これには、生活コストの違いや地元の食材の利用状況などが影響していると考えられます。
この平均値はあくまで参考の1つで、自炊の頻度や食材の選び方、献立の工夫などによって食費は大きく変動します。例えば、無計画な買い物や高価な食材の使用をすれば支出は増えるでしょう。また、安価な食材を選んでいても、食材の余剰廃棄などが多ければ、実質的な食費が増えてしまうわけです。
自炊と外食の費用の違いとメリット・デメリット
では、ここで自炊と外食のそれぞれの食費を試算してみましょう。都市部で1日3食を外食する場合、朝は500円、昼は1000円、夜は2000円程度が必要です。そうなると、1日あたり3500円、1ヶ月で約10万円かかることになります。
一方、自炊の場合は、都市部で1食あたり300円から500円で済むとすれば、1ヶ月の食費は2万7000円から4万5000円程度に大幅に抑えられるはずです。つまり、自炊をすれば、外食の半分以下の食費で済むわけです。
外食には食事の準備や片付けの手間が省ける利点があり、またバラエティ豊かなメニューから選べる楽しみもあります。しかし、栄養バランスが偏るといった問題もあるようです。
それに対して、自炊には、自分の好みに合わせた食材の選択や栄養バランスの管理ができるというメリットがあります。ただし、食材の計画的購入がうまくいかないと、自炊でも食費が高くなるリスクがあるので注意が必要です。
米だけ炊くのはコスパがよいのか?
自炊と外食との間で妥協案となるのが「米だけを炊いて、他は総菜を利用する」という方法です。
これは、自炊による食費の節約と手間の省力化を両立しようとする試みといえます。お米は量を調節しやすく、一度に多めに炊いても保存がききます。また、総菜はその都度購入することで食材の管理が必要ないという利点があります。
この方法が真にコスパが良いかどうかは、選ぶ総菜の種類や価格、お米の価格などによって変わってきます。また、先に上げた統計データによれば、約4万円の食費についての支出のうち、お米に対する支出は約500円となっています。
お米以外は総菜を購入する場合について考えてみましょう。
イトーヨーカドーを参考にすると、サバの塩焼きが約300円、レタスなどの葉物野菜の袋入りのサラダが約100円、小袋のドレッシングが約30円で、合計430円です。もしも一日3食にこれだけの費用をかけると、月にお米以外で4万円近い出費になります。品数を増やしたい、もっと多くの食材が使われたものを食べたいといった場合は、さらに食費が高くなるでしょう。
そのため、お米以外の食材に対しても自炊をして支出を抑えるほうが、食費全体に対しての節約効果は大きいといえます。
食費を抑えるならお米以外も自炊を
自炊は食費を抑える有効な手段です。「米だけを炊いて他は総菜を利用する」というスタイルは、1つの考え方ではあります。ただし、購入する総菜の量や価格によりますが、実際に食費全体の支出を抑える効果には疑問が残ります。
食材を無駄にしない計画的な購入に気をつけ、お米以外についても自炊をする方法も取り入れながら、バランスの取れた食生活を目指しましょう。
出典
総務省統計局 家計調査2023年1~3月期<品目分類>単身世帯・勤労者世帯 1世帯当たり(四半期計)の品目別支出金額 表番号 9
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー