更新日: 2023.06.23 ライフプラン
たくさんの人が悩んでいる「お金のこと」 まずはライフプランを作ってみよう!
そこで、お金の不安を軽減するために、ライフプランを作って、これから必要な費用がいくらか目安を知ることから始めてみませんか。作り方を解説します。
執筆者:前田菜緒(まえだ なお)
FPオフィス And Asset 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
確定拠出年金相談ねっと認定FP、2019年FP協会広報スタッフ
保険代理店勤務を経て独立。資産運用と保険に強いファイナンシャル・プランナーとして、子育て世代向けに相談やセミナーを行っている。全国どこからでも受講可能なオンラインセミナーを毎月開催。自宅で学べる手軽さと講座内容のわかりやすさが好評。子どもが寝てからでも参加できるよう、セミナーや相談は夜も行っている。
ライフプランを作る意味
ライフプランを作る時は、ライフイベントを予想します。何年後に子どもが入学・卒業する、住宅購入や住宅ローン完済、ご自身の転職や退職等さまざまなライフイベントが発生することと思いますが、ほとんどのイベントには大きなお金が動きます。
そのイベントに対して、どれだけのお金が動くのか事前に把握することで今から対策をとることができますし、対策をとれば不安や悩みは軽減されます。特に、キャッシュフロー表では、これからの将来において1年ごとの収支を見ることができます。いつ、いくらお金が動くのか詳細に可視化されるため、対策をとるには非常に有効です。
ウェブサイトで「ライフプラン表テンプレート」「キャッシュフロー表テンプレート」などと検索すると、たくさんテンプレートがヒットしますから、ご自身が使いやすそうなテンプレートを見つけて作ってみましょう。ここでは日本FP協会のキャッシュフロー表をもとに作り方を説明します。
各項目に入力する内容
基本的な入力例は、FP協会のホームページに記載されていますし、ダウンロードしたExcelでコメント表示されていますから、それ以外の内容について説明します。
【図表1】
(1) 収入
給与収入や不動産収入、副業の収入などを入力しますが、老後のキャッシュフローも考えるなら、年金収入も入力します。年金額は50代以上ならねんきん定期便に見込額が記載されています。50歳未満ならねんきん定期便から、厚生労働省の「公的年金シミュレーター」を使って年金額を試算してみましょう。
入力するのは、手取りですから、年金額から税社会保険料を差し引きます。税社会保険料は、年金額や年金以外の収入有無によって金額は異なりますが、収入が年金だけの場合、年金額の10~15%を目安に計算するとよいでしょう。
(2) 一時的な収入
贈与や保険の満期金等を入力します。
(3) 基本生活費
食費や光熱費、通信費など(4)から(9)以外の支出を入力します。家電の買い替えや修理、お年玉など、年間に発生する費用もおおよその額を見積もり加算しましょう。
(4) 住居関連費
ローンや家賃はもちろん、マンションなら管理費・修繕積み立て、駐輪場の費用も含めます。その他、固定資産税や火災地震保険料も含みます。
(5) 車両費
自動車税、ガソリン代、駐車場代、自動車保険料、車検代の1年あたりの金額を入力します。車の買い替えが発生する年は、買い替え費用も上乗せします。
(6) 教育費
学校にかかる費用はもちろん、塾や習い事、習い事の発表会代なども含みます。高校や大学などの受験料も忘れずに入力してください。平均的な費用を知りたいなら、文部科学省の「子供の学習費調査」を参考にするとよいでしょう。
(7) 保険料
家族全員の保険料を入力します。
(8) その他の支出
定期的に発生するような費用を入力します。たとえば、旅行代や帰省費用、記念日費用などを入力します。
(9) 一時的な支出
スマホの買い替え、歯科矯正の費用、子供の成人祝い、結婚祝いなどにかかる費用を入力します。
ライフプランを作ってみよう
ライフプラン表を作るのは簡単なことではありません。しかし、普段気にしていなかった費用等が意外にかかっていることを知ったり、将来の支出も見えてきたりします。可視化され問題があると分かると、それに向けた対策をとろうという気持ちになります。そして、対策をとることで不安は安心に変わります。
モヤモヤやお金の悩みが尽きないなら、一度ライフプランを作ってみると視野が広がるかもしれません。この機会に作成してはいかがでしょうか。
出典
内閣府 「国民生活に関する世論調査」の概要(令和4年10月調査)
日本FP協会 便利ツールで家計をチェック
執筆者:前田菜緒
FPオフィス And Asset 代表、CFP、FP相談ねっと認定FP、夫婦問題診断士