更新日: 2023.06.20 働き方
「昼休憩中」にお客さま対応を頼まれてしまいました。その分の「残業代」は支払われますか?
本記事では、昼休憩中に仕事を頼まれた場合に残業代を請求できるのか、解説します。また、別途休憩時間が与えられた場合でも残業代を請求できるのかについても紹介していくので参考にしてみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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休憩時間の定義
労働基準法では、休憩時間の与え方について規定されています。それによると、「労働時間が6時間以上8時間以下の場合は最低でも45分」、「労働時間が8時間を超える場合は最低でも1時間」の休憩を会社側は与えなければいけません。
昼休憩もこの規定に含まれた休憩時間に該当します。また、休憩時間は「労働から離れることが保障された時間」でなければいけないことになっています。
例えば、「昼休憩中に当番制で電話対応を任される」といった場合は労働から離れているとは言えないので、休憩時間に該当せず勤務時間に含まれます。そのため、会社側は別途休憩時間を確保しなければいけません。休憩時間が確保できない場合は労働基準法違反になります。
昼休憩中に仕事を頼まれた場合は時間外労働になる
昼休憩中にお客さま対応などの仕事を頼まれた場合は、労働から離れているとは言えないため勤務時間に該当します。そのため、休憩時間中に働いた時間は勤務時間として加算されます。この勤務時間が「1日8時間、1週間で40時間」といった法定労働時間を超えると、法定時間外労働になるので残業代を請求することが可能です。
また、時間外労働は割増賃金になります。時間外労働が60時間未満の場合は25%の割り増しです。昼休憩中に働いた時間はこの割増賃金を請求できます。
別途休憩時間が与えられた場合でも残業代を請求できる
休憩時間中に仕事を頼まれたことで短縮された場合、別途休憩時間が与えられます。しかし、短縮された時間分の休憩時間を与えられた場合は残業代を請求できないのでしょうか?
休憩時間を別途与えられた場合は残業代を請求できないように思えますが、休憩時間が勤務時間になってしまったことに変わりありません。そのため、休憩時間を与えられた場合でも、法定労働時間を超えた場合は残業代を請求できます。休憩時間と残業代を請求し、会社側はそれに応じなければいけません。応じない場合は労働基準法違反となります。
1人で悩まずに誰かに相談してみましょう
休憩時間中に仕事を頼まれた場合は、別途休憩時間が与えられます。また、休憩時間を与えられた場合でも法定労働時間を超えた場合は残業代を請求することも可能です。
しかし、労働者側が休憩時間や残業代を請求することは難しいのが現状です。請求することで会社に居づらくなることも考えられます。そこで、このような場合は上司に相談することや労働基準監督署に相談することも検討しましょう。
労働者には正しい環境で働く「権利」があります。そのため、休憩時間や残業代を請求することは間違ったことではありません。まずは1人で悩まずに誰かに相談してみましょう。
出典
厚生労働省 労働時間・休憩・休日関係
厚生労働省 法定労働時間と割増賃金について教えてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー