更新日: 2023.04.08 その他家計
風呂なし物件は「銭湯代」を考えると「節約にならない」?「風呂あり物件」との家賃や水道光熱費を比較
この記事では、「風呂なし物件+銭湯」は本当にお得なのか、「風呂あり」の物件と比べて、家賃や水道光熱費はどのくらいちがうのかについて、都内に住む1人暮らしの場合で解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
風呂なし物件と風呂あり物件の家賃の違いはどのくらい?
東京23区内で駅から徒歩10分以内という条件で、とにかく安い物件を探した場合の平均家賃は、風呂なしで約3万円、風呂ありで約5万円です。築年数や間取りにこだわらなければ、風呂なしでは2万円台から物件が見つかります。
また、風呂なしの物件は、管理費が1000円程度だったり、水道代が共益費に含まれていたりするなど、管理費や共益費もお得なものが多い傾向にあります。まとめると、東京23区内で同等の物件では、風呂なしを選ぶことで2~3万円程度、家賃を節約できる可能性があるでしょう。
1人暮らしの水道光熱費は毎日銭湯に行くほうが安くなる?
風呂なしにすれば、自宅で入浴しない分の水道代やガス代は安くなります。1人暮らしの1ヶ月の水道光熱費は地域やライフスタイルによって大きく差が出るほか、気温の低い1~3月は、電気代やガス代が高くなる傾向にあります。
一般的な目安として、総務省の家計調査報告の結果を見てみましょう。同調査によると、2022年の単身世帯における水道光熱費の月平均額は約1万3000円でした。
ただし、2022年は世界的にエネルギー供給が不安定であり、国内でもガス代や電気代が高騰しています。2019年の調査結果も確認してみると、単身世帯の水道光熱費は約1万1700円と、2022年よりは若干安かったことが分かります。
これに対して、毎月の銭湯にかかる費用ですが、2022年7月以降の、東京都内の公衆浴場の入浴料金は、大人1人あたり一律500円です。つまり、1ヶ月を30日として毎日銭湯に行った場合の費用の目安は、1ヶ月で1万5000円です。
つまり、入浴代だけで1人暮らしの水道光熱費の平均額を2000~3000円ほど上回ってしまうことになります。銭湯についても、原油価格の高騰などの影響を受け、料金は値上げ傾向にあります。
風呂なしの物件のほうが大きく節約になるとは限らない
仮に、家賃が5万円の物件に住んで1ヶ月の水道光熱費が1万2000円の場合、家賃と水道光熱費の出費の合計は6万2000円です。これに対して、風呂なしで家賃が3万円のところに引っ越しをして家賃で2万円節約したとしても、毎日銭湯に行くと合計の出費は4万5000円です。
工夫して入浴代以外の水道光熱費を5000~7000円以内におさえたとしても、節約できるのは1万~1万2000円程度ということになります。銭湯に行く頻度を2日に1度などに減らせばもう少し節約になりますが、衛生的ではありません。
また、風呂なし物件には築年数が50年以上と古いものが多い、セキュリティ面も弱くなりがちといったデメリットも存在します。実際に節約できる金額とデメリットとをよく比べて、判断すべきでしょう。
家賃以外にも節約方法はさまざまである
風呂なしの物件は、風呂ありと比べて、家賃は安くおさえられる傾向にありますが、毎日の銭湯代は決して安くありません。
1人暮らしの生活費をおさえるには、家賃を下げる以外にも、自炊をして食費を減らす、暖房や家電の使い方を見直して光熱費を安くする、格安SIMに乗り換える、などの方法も検討してみましょう。
出典
リクルート SUUMO 風呂なしの賃貸・部屋探し情報 検索結果
総務省 家計調査報告 〔家計収支編〕 2022年(令和4年)平均結果の概要
総務省 家計調査年報(家計収支編)2019年(令和元年)(総世帯及び単身世帯の家計収支)
東京銭湯 入浴料金改定のお知らせとご理解を
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部