更新日: 2023.03.31 働き方
4月から社会人です。定時ぴったりで帰らず「手伝うことありますか?」と聞くのがマナーと聞きましたが本当でしょうか?
これらのことは社会人としてのマナーといわれますが、実際はどうなのでしょうか。本記事で詳しく解説します。あわせて、残業する上で知っておきたいルールを紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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定時に帰宅しても問題ない?
結論として、「定時ぴったりで帰るべきではない」「帰る前にひとこと『何か手伝うことはありますか?』と聞くべき」というマナーはありません。また、残業を頼まれたとしても、正当な理由があれば、断っても問題ないとされています。
正当な理由とは「36協定に違反している」「業務上必要ではない」「体調(体調不良・妊娠・出産など)に悪影響がある」「プライベート(育児・介護など)に悪影響がある」といったことがあげられます。
この中の業務上必要ではない残業とは、翌日の業務でも何の問題もないのに、当日終わらせるように残業をさせることです。例えば、自分自身の仕事が終わっても、上司や先輩が残業をしているから、それに合わせて残業を命じられた場合も業務上必要でない残業にあてはまります。
ただし、業務上必要あるかないかの判断は上司の裁量に任されています。そのため、勝手な自己判断で、「業務上必要ないから」と残業を拒否してしまうと、場合によっては業務命令違反に問われる可能性があるかもしれません。正当な理由かどうか判断がつかず、業務上必要ないと思われる残業が続く場合は、弁護士などに相談することをおすすめします。
残業代のルールとは?
残業は時間外労働です。時間外労働とは、労働基準法32条によって定められた「法定労働時間である1日8時間、週40時間」を超えて働くことを意味します。そして、労働基準法37条1項によって、時間外労働には割増賃金の支払いが定められています。月60時間以下の時間外労働の場合は25%の割り増し、月60時間を超えた時間外労働の場合は50%の割り増しです。
ちなみに、「月60時間を超えた時間外労働の場合は50%の割り増し」というルールは大手企業のみの適用でしたが、2023年4月1日から中小企業にも適用されることになりました。
このほか、「深夜労働(22時~翌朝5時の時間帯)」「休日労働」も、割増賃金が支払われます。深夜労働の場合は25%の割り増し、休日労働の場合は35%の割り増しです。
残業代の計算式は、「1時間あたりの基礎賃金×割増率×残業時間」になります。残業代を支払うのは会社の義務です。「小さな会社だから支払うことができない」ということは認められません。給与を受け取るとき、明細書をよく確認しましょう。
業務上必要なければ残業を断っても問題なし
新人は「定時ぴったりで帰るべきではない」「帰る前にひとこと『何か手伝うことはありますか?』と聞くべき」などという謎のマナーにしたがう必要はありません。というのも、業務上必要ない残業は断っても問題ないからです。
業務上必要ない残業には、上司や先輩が残業をしているから、それに合わせて残業をしないといけないといった場合もあてはまります。困ったことがあれば、弁護士などに相談しましょう。
出典
厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署 時間外労働の上限規制
わかりやすい解説
厚生労働省 中小企業庁 2023年4月1日から月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部