更新日: 2023.03.16 働き方
「休憩時間」に仕事を頼まれました…残業代は出ますか? 断っても良いのでしょうか?
そこで本記事では、休憩時間中に仕事を頼まれた場合に仕事をしなければいけないのかについて解説すると共に、仕事をした場合に残業代が出るのかについて紹介していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。
労働基準法の中の休憩時間
労働基準法では休憩時間がどのようなものなのか定義されています。具体的には、労働者から労働を切り離した時間でなければいけません。そのため、待機時間などで顧客対応をする可能性がある場合は休憩時間には入らないことになります。
また、休憩時間の長さも法律によって定められています。休憩時間の長さは「労働時間が6時間以上8時間未満の場合は少なくとも45分」、「8時間以上の場合は少なくとも1時間」です。この時間未満の場合は法律違反になるので、企業側は法定の休憩時間を与えなければいけません。労働者は法定の休憩が与えられていない場合は、休憩時間を取ることを主張できます。
また、休憩時間中に電話対応をする場合や顧客対応をする場合も労働になるので、企業側としては対応した時間に応じた休憩時間を労働者に与えなければいけないことになっています。
休憩時間中に仕事を頼まれた場合はどうなる?
休憩時間中に仕事を頼まれた場合は、労働基準法の休憩時間から考えると基本的には仕事を断っても問題ありません。休憩時間中に労働を頼んだことになるので、労働と切り離した時間とは言えないからです。
しかし仕事を頼まれた際に、断ることができない場合や進んで頼まれた仕事をしたい場合は、休憩時間中に仕事をすることも可能です。この場合は対応した時間に応じた休憩時間を取ることになります。
残業代は発生するのか?
休憩時間中に仕事を頼まれて労働をした場合は、残業代が発生します。また、休憩時間中に労働をした際、さらに対応した時間に応じた休憩時間を与えられた場合も残業代が出るようになっています。休憩時間中の労働は時間外労働にあたるからです。
また、休憩時間中の労働を含めた労働時間が法定労働時間を超えると割増賃金も発生します。月60時間「以下」の時間外労働をした場合の割増賃金率は大企業も中小企業も同じ25%ですが、月60時間「以上」の時間外労働の場合は大企業と中小企業とで割増賃金が異なっていました。しかし、2023年4月から中小企業も大企業と同じく50%となります。
休憩時間中に仕事を頼まれた場合は、対応した休憩時間も与えられ、残業代を請求することも可能
本記事では、休憩時間中に仕事を頼まれた場合に仕事をしなければいけないのかについて解説すると共に、仕事をした場合に残業代が出るのかについて紹介してきました。
休憩時間中に仕事を頼まれた場合、断れないときもあると思います。しかし、その場合は対応した休憩時間が与えられ、残業代を請求することも可能です。
また、2023年4月から中小企業でも月60時間以上の時間外労働をすると、大企業と同じく50%の割増賃金が支払われるようになります。残業代が2023年4月以前よりも多く受け取れる可能性があるので、残業代がどれだけ支払われているのか確認しておきましょう。
出典
厚生労働省 労働時間・休憩・休日関係
厚生労働省 法定労働時間と割増賃金について教えてください。
厚生労働省 2023年4月1日から月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられます
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部