更新日: 2023.02.08 働き方
夫婦二人で育休を取りたいけど、「パパ・ママ育休プラス」ってどんな制度?
本記事では、パパ・ママ育休制度の内容や適用される条件、取得スケジュールの例、育休延長との違いについて解説します。制度を理解して、夫婦での育児に役立ててください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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「パパ・ママ育休プラス」を使うと1歳2ヶ月まで育休が取れる
「パパ・ママ育休プラス」とは、父親と母親の両方が育児休業を取る場合に、育児休業可能期間が2ヶ月延長される制度です。
育児休業の期間は、原則として子どもが1歳になるまで(1歳の誕生日前日まで)と決められています。しかし、パパ・ママ育休プラスを活用すると休業可能な期間について、子どもが1歳2ヶ月になる(1歳2ヶ月の誕生日前日)までに延長され、この期間に両親がそれぞれ1年間まで育児休業を取得できるようになります。
パパ・ママ育休プラスが適用されるのは、次に該当する場合です。
●育児休業を取得しようとする人の配偶者(事実婚を含む)が、子どもの1歳の誕生日前日より前に育児休業をしている
●育児休業を取得しようとする人の育児休業開始予定日が、子どもの1歳の誕生日以前である
●育児休業を取得しようとする人の育児休業開始予定日が、配偶者(事実婚を含む)の育児休業の初日以降である
パパ・ママ育休プラスの期間中は、夫婦それぞれが育児休業給付金(※)を受給できます。
※180日まで:1日あたり、休業開始時賃金日額の67%、181日以降:1日あたり、休業開始時賃金日額の50%
パパ・ママ育休プラスの取得例
パパ・ママ育休プラスの使い方には、いくつかのパターンが考えられます。主なパターンと、子どもの出生日が2023年1月2日の場合のスケジュールを見てみましょう。
■両親交代で切れ目なく育児休業を取りたい
●母親:2023年1月2日~2024年1月1日(1歳誕生日前日)まで1年間育児休業取得
●父親:2024年1月2日~2024年3月1日(1歳2ヶ月前日)まで2ヶ月間育児休業取得
母親が丸1年間育児休業を取得したのちに、父親がバトンタッチして、子どもが1歳2ヶ月になる前日まで育児休業するパターンです。母親の仕事復帰時に父親が家事・育児のサポートに専念できます。
■両親で一緒に、できるだけ長い期間育児休業を取りたい
●母親:2023年1月2日~2024年1月1日まで1年間育児休業取得
●父親:2023年3月2日~2024年3月1日まで1年間育児休業取得
夫婦で育児に専念する期間を最大限に確保しつつ、育児休業期間もできるだけ長く取るパターンです。
■期間を空けて交代で育児休業を取りたい
●母親:2023年1月2日~2023年9月1日まで8ヶ月間育児休業取得
●父親:2024年1月2日~2024年3月1日まで2ヶ月間育児休業取得
祖父母に日中預かってもらえる期間がある場合などは、このように母親と父親の育休期間にインターバルを挟んでも問題ありません。
パパ・ママ育休プラスと育休延長の違い
「育児休業延長」も、パパ・ママ育休プラスと同じく育児休業可能期間を引き伸ばせる制度です。ただし、育児休業延長は1歳になるときに保育所に入所できないなど、特別な事情がある場合の例外措置であり、事情がなくても利用できるパパ・ママ育休プラスとは趣旨が異なります。
また、育児休業延長では最大で子どもが2歳になるまで育児休業期間を延ばせることも、パパ・ママ育休プラスと異なる点です。2つの制度を混同しないよう、違いを理解しましょう。
夫婦での育休にパパ・ママ育休プラスを上手に活用しよう
パパ・ママ育休プラスを利用すると、育児休業期間を上手にずらすことで、両親で育児に専念したり、配偶者の仕事復帰時にサポート役に回ったりと、状況に合わせて柔軟に育児休業を取りやすくなります。どのようなパターンで育児休業を取るかを妊娠中にしっかり夫婦で話し合い、会社にも相談しながら制度を十分に活用しましょう。
出典
厚生労働省 育児・介護休業法のあらまし Ⅱ-5 育児休業の期間2-両親ともに育児休業をする場合(パパ・ママ育休プラス)の特例-
厚生労働省 育児休業を取るときは
厚生労働省 育児休業給付について
厚生労働省 育児休業給付の内容と支給申請手続
厚生労働省 「育児休業」の延長を予定されている労働者・事業主の皆さまへ 育児休業の取得は、子どもが1歳になるまでです。
厚生労働省委託 母性健康管理サイト 妊娠・出産をサポートする女性にやさしい職場づくりナビ 産前・産後休業を取るときは
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部